食ビの人々

三浦 由規 Yoshimi Miura 日清食品株式会社
2008年度卒業(マーケティング部)

責任感を養い、成長を実感できた4年間でした。

今はどんな仕事を担当されているのでしょうか

市場で、どういったものにニーズがあるのかを探し出し、誰に(ターゲット)、どこで(売り場)、いくらで(価格)といった要素を考えながら商品をつくるのが、おもな仕事です。2014年の4月で、マーケティング部に配属になり3年目を迎えます。1年目は他社のプライベートブランドを担当し、2年目からは、ナショナルブランドである日清食品の『江戸そば・京うどん』を任されました。『江戸そば・京うどん』は2000年の発売以来、つゆのおいしさの決め手となる“素材にこだわった”和風タテ型カップ麺として、多くのお客様にご愛顧頂いているブランドです。2012年10月からは七味を別添し、『京うどん』には京都・清水の老舗「七味家本舗」、『江戸そば』は、東京・浅草の老舗『やげん堀』の七味唐がらしを採用し、さらに“こだわり”を持ったブラントとして販売されております。その中で、私は2013年10月発売のリニューアルを担当しております。七味を別添し市場での反響も大きいなかでのリニューアルなので、どのようにしてさらに愉しんでいただけるかとても悩みました。研究や調査を続けて、“季節に合わせた風味”という新たなコンセプトをうみだしました。季節に合わせて別添七味の内容を変更し、風味を愉しんで頂こうという内容です。商品が発売した結果、パッケージデザインも“こだわり”の七味を使った商品であることが、一目でわかるようなデザインに仕上げた効果もあり、多くのスーパーやコンビニエンスストアで商品を取り上げていただき、大きな反響を得ることができました。

仕事のやりがいを教えてください

商品のコンセプト作り、関係部署との調整、さらには社長を含めた役員へのプレゼンテーションなど、さまざまな工程を経て、商品ができあがります。その際、思わぬことが障害となり、前へ進めないことも少なくありません。でもそれらを乗り越えて、自分たちが手掛けた商品が店頭に並んだときには、何ものにも代えがたい喜びと達成感があります。

食品ビジネス学科をめざした理由を教えてください

最初は歯科医になりたいと思っていました。そのために、わざわざ浪人までしたのですが、いろんな人の話を聞くなかで、歯科医は自分に向いていないのではと疑問を持つようになったのが発端です。日本大学の生物資源科学部には、食品系だけでなく、生物環境工学や生物科学や森林資源科学など、いろいろな学科があるのですが、その中でも食品系なら、私にもできるんじゃないかという単純な動機で選んだと思います。同じような専攻・学科で他大学にも合格しましたが、将来の就職を考えると多くの卒業生が社会で活躍している大学がいいだろうと思い、日本大学の食品経済学科(現在の食品ビジネス学科)に決めました。

大学時代に、一番力を入れていたことは何ですか?

私が、大学時代に力を入れたことのひとつに、サークルの立ち上げがあります。「ラボーナ」というフットサルサークルをつくり、代表を務めていました。たまたまアルバイトがひと区切りついたときに友人と軽い気持ちで始めたのですが、年を重ねるごとに、後輩が増えていき、最大50名近くの規模のサークルになりました。そうなると、私自身にもやる気と責任感が芽生え、積極的に活動を行うようになり、後輩の育成や組織づくりなど、ちょっとしたマネジメントも経験することができました。それまで情熱を注げるものがなかったので、その分、サークル活動を頑張れたのだと思います。しかし、3年次の夏にはサークルも後輩に引き継ぎ、その後は気持ちを切り替え、就職活動に全力で取り組みました。

どのような就職活動を行ったのでしょうか?

まずは就職活動前に、MOSの資格取得やTOEICの受験、さらにはハワイ大学への1ヵ月間の短期留学など、学生時代の取り組みが証明できるものに数々チャレンジしました。エントリーシートは食品関連の企業に絞って、メーカーを中心に商社・流通など、約60社に提出しました。モノづくりに興味があったのですが、メーカーが作ったものから選んで、エンドユーザーに提案できる商社・流通の仕事も面白いと思い、業界や企業は幅広く選択。緊張せずに自己PRができるように、セミナーを受けるだけでなく、面接も数多く経験するようにしました。第一志望だった当社の内定が決まったのが4年次の5月。3年次の9月に就職活動をスタートしてからの期間、仲間からの飲み会などの誘いを一切断り、就活に注力しました。将来を決めることだったので、それだけ真剣だったと思います。

就職活動について、先生からアドバイスをいただきましたか?

私が2年次に着任された竹下先生にすごくお世話になりました。学問だけではなく、ものの見方や考え方などを、いろいろと教えていただきました。就活ではエントリーシートの添削から、企業が求める人物像について、人事担当者の視点で細かくアドバイス。とても理論的で、すべての説明が納得できるものばかりでした。こうした先生が身近にいるのが、食品ビジネス学科の魅力のひとつだと思います。卒業後も一緒に食事に行ったりと、今でも懇意させていただいています。

学生時代に学んだことで、役に立っていることはなんですか?

大学生活の4年間、いろんな角度から食品について学んだのが、一番大きいと思います。入社まもない時期でも、戸惑いもなく、すんなり仕事に入ることができました。これが、もし食品関連以外の学科に所属していたら、仕事に馴れるまでに時間がかかったかもしれません。例えば、食品業界の仕組みや構造はもちろん、取引先との商談にでる専門用語などの基本的な知識は、大学で既に学んでいたので、とても役に立ちました。

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします

日本大学の食品ビジネス学科ならいろんな人と出会えるので、視野も広がり、やりたいことも見つけやすい環境です。わかりやすい授業をしてくださる先生が揃っているので、授業も面白く、新たな発見ができるはずです。今振り返れば、もっと真面目に勉強しておけばよかったかと少し後悔しています。この学科に入学したら、ぜひ勉強やサークルなどのさまざまな活動に全力で取り組んでください。

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