食ビの人々

村田 麻衣子 Maiko Murata 小岩井乳業株式会社
2001年度卒業(SCM担当 調達チーム)

将来のやりたいことが見つかった4年間の大学生活。

今はどんな仕事を担当されているのでしょうか

当社の製品は、全部で約50種類。私は、それらの原料の調達を一手に担当しています。コーヒー牛乳ならコーヒー豆、いちごジャムならストロベリー果汁などを、どういう会社から何を買い付けるのかを、商品開発スタッフと相談しながら、選定していきます。一番大きな業務になるのは、新商品における新規原料の調達です。商品に関わる全ての原材料を手配するので、仕入先の会社へ訪問し、製造や配送などの細かいルール確認なども行います。もちろん材料の品質チェックも必要なので、最後まで気が抜けません。私が所属している部署は売上をつくる組織ではないので、コスト削減が大きなミッションとなっています。価格を抑えながらも、品質の良いものを調達する。既存の商品についても商品開発スタッフに新たな原材料を提案して、コストコントロールを行っています。

仕事のやりがいを教えてください

今や、食の安全性への関心・意識が強まっている世の中です。食品メーカーとしては安全性や品質に責任をもつことは必要不可欠。そのため、原材料は放射能検査などの厳しいチェックを行うなど、おいしく、安全な食品づくりに日々取り組んでいます。何回もの検査を行い、合格した商品だけが店頭に売り出されます。それだけに、買い物かごに商品を入れてくださるお客様の姿をみると、喜びもひとしおです。このときばかりは、今までの苦労も忘れるほどです。

食品ビジネス学科をめざした理由を教えてください

女子大附属の高校に通っていました。エスカレーター方式で大学に進学もできたのですが、自分が学びたいと思える学部がなかったので、他の大学をめざし受験を始めたのが高校2年生の終わりです。塾にも通い始めました。本格的に大学受験をスタートしたのは高校3年生からなので、どんな大学があるのかはほとんど知りませんでした。文系でしたが、文学部や商学部には興味はなかったので、経済学部か法学部に進もうと、漠然と考えていました。そんなある日、通っていた塾で、たまたま目にしたのが食品ビジネス学科(当時は食品経済学科)のパンフレットです。「理系の学部なのに文系の学科があるんだ」。一般的な経済学部より、ジャンルに特化した経済系の学科のほうが面白そう。「食」という分野にも惹かれました。

食品ビジネス学科の受験で、とくに頑張ったことはなんですか?

遊ぶときは遊び、勉強するときは勉強するというメリハリのあるスタイルでした。当時の受験科目は「英語」「国語」「世界史」の3科目。得意の国語はなんとかなるだろうと思い、後回しにして、一番苦手科目の英語は、最低限のことをやろうと思い、過去問を解くことに時間を費やしました。試験直前は、暗記科目の「世界史」を集中的に勉強したように思います。最初のうちは、そのうちやろう、いつかやろうと思って、問題集をいくつも買いこんでいましたが、塾の先生に「『そのうち』『いつか』はやらぬと同じ」と注意されたのを思い出します。仕事でも、段取りが求められますが、受験時にも、そんなことを意識して臨んだのを記憶しています。

4年間通って、感じた食品ビジネス学科の魅力はなんですか?

「先生との距離の近さ」です。当時は2年次からゼミを履修できたので、私は卒業までの3年間、下渡先生のゼミでマーケティングなどを学びました(※現在は1年次からゼミを履修)。研究内容はもちろん、就職先など、わからないことや困ったことなども気軽に相談にのってくださったのは、私にとって大きな力になりました。学生の誕生日にはケーキを買っていただき、とてもアットホームな雰囲気で研究を行っていました。もうひとつの魅力は、お互いを高め合える仲間に出会えたことです。友人たちとは今でも仲良し。名古屋勤務の友人が多く、出張で名古屋にいくときは、おいしい店に連れていってもらい、今でもいい刺激を受けています。

学生生活で、一番印象に残っていることを教えてください

大学1年次に友人に誘われて、日本大学の体育部連盟に所属している陸上サークルに入部しました。今まで陸上の経験がなかったので、マネージャーとして参加し、さまざまな競技にチャレンジする同期生や先輩たちのサポートをしていました。あるとき、興味本位で出場したフルマラソンに2回連続で完走しました。「自分でも、やればできるんだ」ということを実感して、「フルマラソンを完走したので、根性だけは誰にも負けません!」と当社の採用面接でも言ったぐらいです(笑)。

学生時代に学んだことで、役に立っていることはなんですか?

現在は、原料調達を担っていますが、以前は商品マーケティングを担当していました。いつかの職種を経験して感じるのは、どのような仕事においても、プレゼンテーション力が必ず求められるということです。学生時代の授業やゼミを通して、仕事で活用するプレゼンテーションのベースとなる部分を、学べたと思います。

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします

入学前にはやりたいことが何ひとつなかった私は、大学の4年間で、情熱を傾けられるような仕事を見つけようと頑張ってきました。流通や農業、簿記論、マーケティングなど、食に関するビジネスや経済について勉強する中で、商品を生み出すメーカーに魅力を見出し、今の私があります。大学時代は、あせらずに、目の前のことにしっかりと取り組んでください。刺激をもらえる友人や、悩みを相談できる先生が身近にいるので、将来は自ずと見えてくるはずです。

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