人生を決める「会社選び」。
内定が出ても妥協せず、
納得するまで就職活動を続けよう。

髙瀬物産株式会社

中野 智子(2008年度卒業)

【業種】
卸・小売業

これまでの歩みについてお聞かせください

私は3年の秋に就職活動を始めました。当初はいろいろな会社を見たいという気持ちがあり、電子部品や住宅関連企業などの説明会にも参加しましたが、やはり食に関わっていたいという気持ちが強く、食品関連に的を絞ることにしました。当時、大手の食品メーカーに興味がありましたが、ライバルの多さにはびっくり。何月何日にエントリーしてくださいと言われ、パソコンの前で待機してクリックした途端、一気に満員になったこともありました。それに加えて、集団面接で一緒になったのは、「ボランティアで一年間海外に行っていた」「TOEICで800点以上」という人ばかり。私は学校の成績も普通で、特に資格を持っているわけでもない。自分を売れるようなものがなかったので、自信を失ったこともありましたが、面接の時に嘘をつくことだけはしないと決めていました。嘘をついて採用されても自分がつらいだけですし、会社にも迷惑をかけるので、誇大な表現をしたこともあったとは思いますが、ありのままの自分を出すことを心がけました。

現在の仕事内容は?

髙瀬物産は常温・冷凍食品、ワインの他、ラップのような資材など幅広く取り扱っています。外食産業は一次卸、二次卸を通さなければ食品を仕入れることができません。当社は外食に卸す二次卸という立場でありながら信頼関係を築き上げ、直接取引しているメーカーが数多くあります。私は本社の経理部に所属し、全国60ほどの事業所からあがってくる仕入、支払伝票のチェックなど、主に支払業務を担当しています。取引のある仕入先は3000社以上あり、同じ社名の会社もあるので、支払いの内容に間違いがないかをチェックすることも大切な仕事です。簿記の資格も持っていないので入社した当時は不安もありましたが、経験を積みながら学べば、早く慣れるし、自分の力にもなると実感しています。

これから就職活動を開始する後輩たちにアドバイスをお願いします

就職活動を始めて約4ヶ月、3年生の3月末に外食産業のある会社から内定をいただきました。でも、そこで活動を中断せず、内定をいただいた状態で夏まで就職活動を続けました。まわりの人たちはどんどん内定が出て、活動を終えていたので焦りもありましたが、「自分のやりたいことがもっと他にあるのではないか」「こんなに簡単に自分の人生を決めていいのだろうか」という気持ちがあり、納得いくまで活動を続けようと思ったのです。幸い、内定をいただいた会社の人事の方も、「納得できる会社が見つかったら、そこに行けばいい」と言ってくださり、安心して活動を続けることができました。確かに就職活動はお金も時間もかかり、つらいこともあります。しかし、皆さんも早い段階で内定が出ても、決して妥協はしてほしくないですね。就職したらその会社で何十年と働くのですから、自分の行きたい会社を見つけるまで粘り強く頑張ってほしいと思っています。

(取材・撮影:2008年11月29日)

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