目指す企業のニーズを知り、
そこに照準を合わせたアプローチを
することが成功への近道。

UCC上島珈琲株式会社

溝川 英司(1988年度卒業)

【業種】
製造業

これまでの歩みについてお聞かせください

京都生まれの京都育ちで、東京に来たのも大学受験の日がはじめてでした。運良く合格して憧れの一人暮らしがスタートした矢先、アパートの下の階に住んでいた同じ京都出身の人に“楽団を作ったんだけど、一緒にオーケストラをやらんか”と言われ、楽器もさわったことのない私がなぜかビオラをやることになり、あれよあれよという間にオーケストラの創設メンバーに。それが、今から20年前です。就職活動は主に食品関係の会社を何社か受けましたが、UCC上島を選んだのはコーヒーが好きだったから。入社後は金沢支店に研修で2ヶ月、その後は富山県の高岡支店、広島支店へ。高岡支店時代では喫茶店やレストランに商品を配達しながら営業をする仕事を手がけていましたが、スランプに陥って辞めようかと考えたこともあります。このままじゃだめだ、仕事以外に楽しみを見いだそうと思ってタウン誌にオーケストラの団員を募集したら下は10代から60代までメンバーが集まり、高岡フィルハーモニー管弦楽団を15年前に創設。今では年に14~15回演奏会を開くまでになりました。それが励みとなってスランプから脱出し、どうにか辞めずに現在まで続けることができました。

現在の仕事内容は?

2000年に東京に異動になり、新しい支店の創設などに加わりましたが、2年前から当社の新プロジェクトである店舗開発を手がけています。要は、直営でチェーン展開している「上島珈琲」の出店地を開拓する仕事。現在、東京と大阪で20店舗ほど展開しています。ちょうど先週、2007年の4月から私がアプローチしていた物件が内定し、2008年の9月に建設される霞が説の文部科学省のエントランスに当社の店舗を出店することになりました。高岡支店時代のスランプもそうですが、入社15~16年位は自分が望んでいた仕事になかなか関わることができませんでした。今、ようやくやりがいのある仕事に携わることができましたが、この仕事ができるのも厳しい時代を乗り越え、いろいろな知識を積んできたからこそ。皆さんもこれから社会に出て、悩んだり、大きな壁に突き当たることも多いと思いますが、そんな時はもう一度自分が何をしてきたかを振り返って、これからこの会社で何をしていきたいかをじっくり考えてほしいですね。キャリアを積んではじめてやりがいのある仕事を与えられることもある。これは、私自身の経験から皆さんに伝えておきたいことの一つです。

これから就職活動を開始する後輩たちにアドバイスをお願いします

競争が激しくなった今、我々の仕事においてもお客様をどうやって獲得するかが重要なテーマになっています。昔は一円でも安ければ買っていただけましたが、今は物を売るより事を売る時代になってきた。お客様を動かすためには、お客様が何を欲しているかを知り、その部分をくすぐるための提案をすることが求められています。就職活動においても同様で、この会社はどんな人材が欲しいのかを考えて、そこをくすぐるようなアピールをしていくことも必要じゃないかと思います。私は面接の時、「今いちばん売れているコーヒーはどういう銘柄でしょうか。モカでしょうか、キリマンジェロでしょうか」という質問を投げかけました。それで採用されたとは思いませんが、これもその会社なり仕事なりに興味があると思ってもらうための一つの手段。皆さんも、その会社のニーズを知った上でアピールすれば成功への近道につながると思います。

(取材・撮影:2006年12月16日)

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