目標がなかなか見つからなくても、
常にアンテナを磨いておけば、
おのずと答えが見えてくる。

秋本食品株式会社

大川 高太郎(1987年卒業)

【業種】
製造業

これまでの歩みについてお聞かせください

大学では2年から4年まで経営学研究室(現齋藤ゼミ)に所属していました。最も記憶に残っているのは、2年の時に参加した『農村調査実習』です。これは、ゼミ生全員と実習をサポートしてくれる3年、4年生が2人1組で地方の農家に泊まり、農作業を手伝いながら酪農農村の経営的な調査をするというもの。私たちは群馬県の農家に4日ほど泊まらせていただきましたが、そのお宅は朝の5時から夜10時まで働きづくめで、休憩をもらえるのはご飯を食べる時だけ。あとから聞いたところ、機械化が進んでいる農家に泊まったゼミ仲間は、海に連れて行ってもらうなど、非常にいい待遇を受けていたとか。慣れない農作業で疲れ果て、待遇の違いに悔しい思いもしましたが、今になってみると楽しい思い出です。当時は、自分に合った仕事を見つけたいという気持ちもあり、いろいろなバイトを体験。大手パン工場やDIYショップ、町の鉄工所、スーパーなどでアルバイトをしましたが、なかなかやりたい仕事が見つからないまま就職の時期を迎え、悩んだことを覚えています。

現在の仕事内容は?

卒業後は、漬け物の製造メーカーであり、問屋でもある秋本食品に入社し、経理やルートセールス、通信販売担当、商品の販促企画、仕入れのサポート、お客様相談室での電話応対などさまざまな職種を経験しました。現在、私が所属しているのは生産本部販売課。5年前からこの仕事に携わっています。生産本部販売課は業務用製品を扱っていますが、既存のお客様への対応と新規の顧客開拓が主な仕事です。業務用とひとことで言ってもいろいろありますが、メインとなるのは外食産業や学校給食等の集団給食関連など。消費がますます落ち込むこれからの時代は、小売業だけをやっていては売上げが伸びないということで、外食や集団給食の分野で漬け物を供給しようという経営戦略を立て、それが今に至っています。秋本食品はもともと規格品を売っていればいいという問屋寄りの営業でしたが、商品サービスに求められるニーズが複雑化した今、私たちが打ち出しているのはソリューション営業。お客様のニーズをかたちにした商品を作り、お届けする仕事を任されているのでむずかしい反面、満足していただいた時は非常にうれしく、やりがいを感じます。

これから就職活動を開始する後輩たちにアドバイスをお願いします

私は就職を目前に控えた時期になっても、進むべき道、進みたい道が決まらず、将来の自分がなかなかイメージできませんでした。皆さんの中にもそういう方がいるかもしれませんが、目標が決まらないからといって必要以上にあせることはないと思います。ただ就職活動をするためのアンテナは常に磨いておくことが大切です。そうすると心に触れるものや気づきがおのずと出てくるので、そんな時はどんどんチャレンジしてほしいですね。先ほど先生から、うちの学生は食品メーカー志望の人が多いと聞きました。私自身の経験では、食品メーカーは社内に対する営業も不可欠。いろいろなセクションのいろいろな仕事をしている社内の人たちを巻き込まないと大きな仕事はできないので、何よりもコミュニケーション能力が求められます。集団面接の時には自己アピールをすることも大事ですが、うちの会社はむしろ協調性を重視していて、たとえば他の学生に対する気配りができる人は非常に評価が高くなる。もしあなたが、食品メーカーを希望しているなら、こうした面ももう一度考えみることをおすすめします。

(取材・撮影:2006年11月17日)

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