大切なのは「挑戦心と創造力」。
壁にぶつかっても、それが経験になる。

元日本農業新聞社社長

島田 圭一郎(1964年卒業)

【業種】
サービス業

これまでの歩みについてお聞かせください

1964年卒業ですから、まだ皆さんが生まれる随分前のことです。私が在籍当時の食品経済学科は今とは比較にならないくらい学生数が少なく、その分、教授との距離も近かったように思いますね。また、1964年といえば、いざなぎ景気や東京オリンピック開催に日本中が沸いた時代で、高度経済成長の真っただ中にありました。一方で農業は経営難から出稼ぎに出る人が急増するなど、徐々に衰退しつつあったわけです。私は大学時代にその現状を知り、日本の農業はこれから一体どうなるのかという危機感を持ち、世界各国の農業・農政の動向をつぶさに見てやろう。そして、日本の農業はどうすれば将来展望を切り拓けるのかを追求したい思い、と日本農業新聞社に入社しました。入社後は報道記者を皮切りに、報道部長、論説委員、編集局長、関連会社社長、本社社長を歴任しました。30数年間にわたり、日本農業・農政の“歴史の事実”を見続けてこれたことは幸せでしたね。

現在の仕事内容は?

日本農業新聞社を定年退職後は、映像・放送会社の取締役相談役、映像制作会社の顧問、郷里の岡山県高梁市市長の諮問委員会アドバイザーなど、6つほどの肩書きを持っています。特にライフワークともいえるのが、地域活性化の支援活動です。新聞記者として日本全国はもとより、世界の主要な農業の表だけでなく裏側も見てきましたから、その経験を活かして地域の活性化に少しでも貢献できればと考えているのです。今は何かと困難な時代ですし、国の財政も大きく様変わりしています。そうした中にあって地域の「自主的なエネルギー」をうまく引き出しながら、新しい発想も積極的に取り入れ、活性化を支援したいというのが私の今一番のやりがいとなっています。

これから就職活動を開始する後輩たちにアドバイスをお願いします

学生時代はある意味で自由な時期なのですから、自分の夢や思いも重ねながら「自分は将来どういう分野に挑戦していくか」を、今のうちからそれなりに明確にしておく必要があると思いますね。最近は学部学科不問という企業が随分増えてきました。では何が必要かというと、「挑戦心と創造力」だと思います。絶えず挑戦する力や、創造する力をどう持つかがますます重要になってくるのではないでしょうか。その意味で学生時代は、色々なことに挑戦できるチャンス。時には壁にぶつかることもあると思いますが、それもまた経験になるわけで、人間力を広げるきっかけになるはずです。そういう要素がこの学生にはあるのかどうかを企業の採用担当者は見ていますし、一番欲しい人材だと思います。

(取材・撮影:2006年10月6日)

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