真冬の花々やイチゴのクリスマスケーキ。

季節を問わず、多彩な野菜・果物・花き類が楽しめるようになったのは、ハウス栽培のおかげにほかなりません。
しかし、ハウスの冷暖房には多くの燃料が必要で、それが農家の方々の悩みともなっています。

こうした問題を解決するため、花の科学研究室の窪田聡教授は民間企業などとも協力。N.RECS(エヌドットレックス)という画期的なシステムを開発しました。

RECSとは根域環境制御装置の略で、これまでのようにハウス全体を温めるのではなく、植物の根の部分だけをピンポイントで温める(あるいは冷やす)という発想から生まれたもの。エアコンよりコタツの方が電気代が安いのと同じで、燃料費を大幅に節約しながら、植物の成長促進や開花調整、品質の改善などを実現することができます。

こうした研究に取り組んでいるのは「おそらく全国でもうちの研究室だけではないか」と、窪田教授は自負します。
「私はいつも学生に、研究はクリエーティブだと話しています。世の中にないものをつくりだすこと、そこに研究の面白さはあると思うんです」この日大オリジナルのシステムが、近い将来、日本のハウス栽培のあり方を変える、大きな力となることでしょう。

生命農学科では、植物を中心とした分子生物学から生態学を含めた生命現象に関して、体系的に学び、これらを有機的に結びつけた教育と研究を実践しています。