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2025.10.15 研究ニュース

獣医学研究科・大学院生の菊池正太さんの研究成果が、米国組織化学会のOfficial Journalである Journal of Histochemistry & Cytochemistryに掲載され、表紙にも採用されました。

本学獣医学専攻3年の菊池正太氏、本学獣医学科の五味浩司教授および安井禎准教授、秋田県立大学生物資源科学部の穂坂正博教授、群馬大学食健康科学教育研究センターの鳥居征司教授により実施された研究成果が、米国組織化学会のOfficial Journalである Journal of Histochemistry & Cytochemistryに掲載され、表紙にも採用されました。

ペプチドホルモン前駆体はプロホルモン変換酵素(PC)による処理を受けて成熟型ホルモンに変わります。7B2はPC2の分子シャペロン/ナチュラルインヒビターとしてこの機構を制御していることが知られていますが、7B2のPC2活性化ドメインや活性化抑制ドメインの存在様式とPC2発現との関連性については、組織化学的解析が行われていませんでした。

本研究では、内分泌組織における7B2とPC2の発現の関係を明らかにするために、モルモットを用いて3種類の新たな合成ペプチド抗体を作製しました。抗原ペプチドとして、7B2のアミノ酸配列(aa)において、N末端部のシグナル配列直後に位置するaa 1–14、中央部のPC2活性化ドメインの一部を含むaa 77–90、C末端部のPC2活性抑制機能を持つaa 156–168を設定しました。得られた抗体の反応性の違いから、内分泌細胞によって7B2の分子様態が異なることが明らかとなりました。下垂体において、ラットとイヌのメラノトロフでは種間の異なる発現パターンが検出されました。さらに、マンモトロフのプロラクチン顆粒における7B2とPC2の共局在を初めて証明しました。7B2とPC2の相互作用が支持されていますが、これらの発現強度は内分泌細胞によって必ずしも一致せず、7B2とPC2の相互作用の動態に関連する分子状態の変化を組織レベルで示している可能性があります。

研究助成:本研究は、日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(C)(課題番号:20K06418)の助成を受けて実施されました。

doi: 10.1369/00221554251365996

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