骨の博物館

2023/6/28
★北国の海鳥繁殖地

神奈川県で冬期の海岸でみられる
ウミウやオオセグロカモメなどは、
この時期北方へ渡り子育てをしています。

北海道斜里町ウトロの
オロンコ岩(5月撮影)
オロンコ岩

ここにある海鳥のコロニーでは、
オオセグロカモメと
ウミウの雛を見ることができました。



今年の当地でのウミウ繁殖は
遅めの様です。
動画のウミウ雛は、
観察した中でも比較的
大きめの個体です。

こちらは同時期(2020年)の
同所での雛の様子。
オロンコ岩

博物館の海鳥コーナー
博物館の海鳥


2023/6/21
★ユリの開花

私たちの身の周りには
様々な植物が生育して、
それらが生えている様子を
観察するだけでも楽しいのですが、
ユリの花は誰が見ても
感動するような美しさが
あると思います。

ヤマユリ(横須賀市佐島)
ヤマユリ

ソメイヨシノの開花は
毎年話題にのぼり、
開花時期が早くなっていると
言われていますが、
三浦半島でのヤマユリの開花は
毎年6月中旬頃で比較的
一定していると思います。
同時期に江の島などの海岸部では、
スカシユリという橙色の花を
つけるユリが生育します。

スカシユリ(稲村ヶ崎)
スカシユリ

今年は、どちらも開花の
初認が6月10日でした。
ヤマユリは、大学構内では
まだ見たことはありませんが、
近隣の石川の崖線林や
大庭城址公園では生育しているので、
いつか見つけるチャンスがあるの
ではないかと思っています。
見つけたら大切にしましょう!


2023/6/14
★コサギの給餌

カワウのコロニー(集団繁殖地)のある
横須賀市長井の轡堰(くつわぜき)の
中島の一角で、コサギが営巣しており、
雛への給餌の様子を
観察することができました。
コサギの営巣地

コサギの営巣地

中島のほとんどの場所で
カワウが営巣をしており、
端の一角でコサギの営巣がみられました。
ある巣では4羽の雛がおり、
親鳥が巣に入ると
激しく餌を要求します。
注意深く見ると、
雛は親鳥の嘴の基部を
自分の嘴で挟みます。
すると親鳥は嘴を開き、
餌を吐き戻して与えます。



他の巣では、まだ抱卵中や
既に巣立って間もないと
思われる幼鳥も見られます。

抱卵中のコサギ
抱卵中のコサギ

巣立ち後のコサギ
コサギの営巣地

このコロニーでは成長段階に
ばらつきがある様です。

これは,博物館のコサギです。
短い靴下をはいている様に
趾(あしゆび)が黄色いところが
特徴です。
コサギの営巣地


2023/6/7
★広い水田のトウキョウダルマガエル

大学から西へ向かうと
相模原台地の斜面を下って
引地川のある低地に下ります。
ここには川沿いに広い
水田地帯が広がります。
ここには、トウキョウダルマガエル
というカエルが生息しています。
本種は、広い水田地帯を好み、
谷戸の水田ではみられません。

トウキョウダルマガエル(茨城県の個体)
トウキョウダルマガエル

トウキョウダルマガエル

以下は2009年藤沢市石川付近、
そして今年の藤沢市大庭付近の
夜の水田でのカエル類の合唱音声です。



例年は、水田に水が入ると
真っ先にトウキョウダルマガエルを
聞きましたが
今年はなかなか見つけられず、
大庭付近でやっと聞くことができました。
また以前は聞くことのなかった
ヌマガエルの声が目立ちました。

カエルの合唱の聞こえた場所
カエルの合唱の聞こえた場所

ヌマガエルは、もともと中部以西の
温暖な地域に自然分布する種ですが、
近年関東地方の各地の水田に
人の活動により移入しているとされています。

参考「神奈川県鎌倉市で確認された国内外来種ヌマガエル」(高橋・竹内,2022)生物資源科学31号


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