骨の博物館

2023/5/31
★アオガエルの泡巣

5/28(日)はオープンキャンパスでした。
元ボランティアで現在博士課程で
カエルの研究をしている院生が、
来館者に見て戴けるようにと
モリアオガエルの泡巣と
成体を持ってきてくれました。
モリアオガエル

泡巣

これを2階廊下で展示していましたが、
大盛況でした。
オープンキャンパス

泡巣は、池などに張り出した
樹上に作られます。
これに雨粒があたると
泡の一部が緩み、泡の内部の
水滴と共に幼生(オタマジャクシ)が、
泡の下にある水たまりに
落ちるという仕組みです。





泡巣は、近縁の
シュレーゲルアオガエルも、
水田の畔の土のすき間などに作ります。


2023/5/24
★漂着したオキナガレガニ

2023年5月10日に海流に乗って
漂流する貝を紹介しましたが、
今回は小さなカニです。
カツオノカンムリ(クラゲ)の
多数打ちあがった5月5日、
城ヶ島で死体を拾いました。
甲長(甲の前後)は15mm,
甲巾(甲の左右)は16mmでした。
三浦半島の海岸では
南風が続いた後に時々見られ、
時に生きた状態でも見ることがあります。

海上の流木や流も藻、
時にウミガメやクラゲに付着
しながら漂流するとされています。
本種には「コロンブスガニ」という
別名があります。
大西洋を航行していたコロンブスが
アメリカ大陸を発見する前に本種を
見つけ、陸地に近い証拠である旨を
船員に伝え励ましたという
言い伝えがあります。

オキナガレガニ
オキナガレガニ

今年は、南風の日が多かったからか
城ヶ島ではカツオノカンムリを
比較的多数見かけます。

カツオノカンムリは帆立船の様な形
カツオノカンムリ

カツオノエボシも少しありました。
危険なのでさわらない様、
気をつけましょう。

カツオノエボシ触手が危険
カツオノエボシ

こちらは同じ城ヶ島で
5月7日に拾った
ゴバンノアシ(植物)の実です。
実の形が碁盤の足の
先端部の形に見たてられています。

ゴバンノアシ



2023/5/17
★ツバメの泥集め

田起しが始まると、
草に覆われていた田んぼが
一面泥の原っぱとなります。
田んぼ

毎年この時期に、ツバメたちが
巣材用の泥を集めに集まります。



動画右下の全画面マークを押すと
大きな画面でご覧いただけます。

博物館のツバメ
博物館のツバメ

趾(あしゆび)が見にくいが
前に3指、後ろに1指。


2023/5/10
★アサガオガイの仲間

相模湾では南風が長く続くと
様々な生物が漂着します。
中には熱帯にその生息域があり、
黒潮など暖流によって
運ばれる種も見られます。

今年の連休期間は
強い南風が吹き続け、
沿岸はいつも時化(しけ)ていました。
でもその風のおかげもあって、
城ヶ島でアサガオガイ(巻貝)の
仲間3種を見つけることができました。
薄紫色のきれいな貝です。

城ヶ島で採集したアサガオガイ類
城ヶ島で採集したアサガオガイ類

これらの種は、粘液を使った
あぶくのいかだ(浮嚢; ふのう)を
つくり、海上を漂いながら
生活をしています。
そして、同じく海上を浮遊している
カツオノカンムリなどの
クラゲ類を捕食します。

ルリガイの浮嚢
ルリガイの浮嚢

カツオノカンムリ
カツオノカンムリ

※写真2,3は、横須賀市自然・人文
博物館付属天神島臨海自然教育園にて撮影

城ヶ島で見つけたアサガオガイの
仲間を下記図鑑より同定しました。
各種の記載事項は、抜粋です。
アサガオガイ 
  縫合は浅く,体層は周縁で角張る。
ルリガイ   
  縫合は深く掘れ込む。体層の大きい割に螺塔低小。
ヒメルリガイ
  縫合は深く,切れ込み帯は明らか。
(以上「日本近海産貝類図鑑」
(奥谷ら,2000)東海大学出版会より)

アサガオガイ

アサガオガイ

アサガオガイ

図鑑で使用される用語は
とっつきにくいのですが、
理解するととても楽しく感じられます。
同定をしてみて、収集した貝のうち、
アサガオガイが4,ルリガイが1,
ヒメルリガイが19個体あったことが
わかりました。
また種名がわかると、
より親しみを感じられます。

参考文献
「海流の贈り物」(中西,1990)平凡社




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