2023/4/26
★トビの営巣
大学から南方向へ向かうと
藤沢の市街地を抜けて
やがて砂浜のひろがる
鵠沼(くげぬま)海岸や
辻堂海岸にぶつかります。
海岸沿いには飛砂防止のための
クロマツ植林がありますが、
その一角でトビが営巣し
卵を温めています(抱卵)。
この巣は国道134号に面し、
道路からも見ることができます。

抱卵中のトビ

三浦半島最南端の城ヶ島赤羽海岸
に面する崖には2月から営巣を
始めていたトビの雛が2羽います。
親鳥は、雛に餌(内容不明)を
ちぎって与えています。
この崖では、ここ数年営巣し、
雛が巣立っています。

野鳥は繁殖時期、特に
営巣地周辺では非常に
警戒心が強くなります。
人の長時間の滞在により、
巣を放棄してしまうことも
ありますので、注意が必要です。
さりげなく観察して、
すぐにその場を離れましょう。
※写真1と2の撮影時には、
約1分でその場を離れています。
写真3と動画1は約300m離れた
場所から撮影しています。
博物館のトビは飛んでいます。

2023/4/19
★田んぼに集まるカエル
水田に水が入るとカエル類が
産卵のために集まります。

動画は三浦半島の葉山町水田で鳴く
アマガエルです。
アマガエルは、なわばりを
主張するために雄が鳴きます。
背後ではシュレーゲルアオガエルも
「コロロッ、コロロッ」と
鳴いています。
こちらは土の中で鳴くため、
鳴いている様子をみることができません。
アマガエルとシュレーゲルアオガエルは
共に緑色(環境により変化あり)の
カエルですが、
アマガエルは眼と鼻の間に
黒く太い線があります。


博物館では、2019年12月から
身近な両生類標本も展示しています。

2023/4/12
★ユリカモメとウミネコ
ユリカモメの一群の中に
頭の黒い個体を見ました。
ユリカモメの成鳥の夏羽に
みられる特徴です。
神奈川県ではユリカモメを
見ることのできるのは主に
冬期(冬鳥)です。
このため夏羽の羽衣(うい)は、
彼らが北国へ帰る直前の時期
だけみることができます。
この冬、ユリカモメ以外のカモメの
仲間が非常に少なく感じました。
特に少なく感じたものの一つがウミネコです。
北海道の繁殖地でも減少している
様ですが、減少の原因がわかっていません。
ユリカモメについては、例年
みられる数と変わらない印象があります。
これらカモメ類の数をカウント
していなかったので、個体数記録
の大切さを痛感しています。
でも多すぎてカウント困難な程
たくさんいたのです。
2023/4/5
★コウボウシバとコウボウムギ
春の海は、日中に潮が大きく
引くようになったり
(冬期は夜間に大きく引く)、
ワカメなど様々な海藻の
打ち上げがあって、少し
華やかになります。
その陸側の砂浜には海浜植物が
花をつけています。
葉山町一色海岸のコウボウシバ群落

砂浜を覆っているのは
コウボウシバやコウボウムギの群落です。
コウボウシバの花
(高い位置にあって長いのが雄花穂、
低い位置にあって短いのが雌花穂)

コウボウムギの名の由来は、
花穂の形態を書道の達人の弘法大師の
筆になぞらえたものです。
コウボウシバは、コウボウムギよりも
小さいので、麦に対して芝と
名付けられたものです。
ムギやシバはイネ科の植物ですが、
コウボウムギとコウボウシバは
カヤツリグサ科の植物です。
イネ科のシバ

コウボウムギの方がコウボウシバよりも
陸側(高い場所)に生育しています。