骨の博物館

2020/12/23
★新展示紹介 川上犬(剥製)
先週のヒメウに続いて、新展示「川上犬」を
紹介します。
日本には「日本犬」として知られている
犬種の他に、「地犬」と呼ばれる地域固有
の犬が存在します。
川上犬は、長野県南佐久郡川上村を原産
とする犬で、長野県の天然記念物にも指定
されています。

川上犬側面

川上犬は、明治以前カモシカ猟に使う犬
として活躍していました。運動能力が高く
寒冷地に対応した豊富な毛並みを持って
います。
川上犬左前面
当館の標本個体は、一般家庭で大切に
飼育されていたものです。精悍な顔つき
に三角形で直立な耳、そして巻尾が特徴的
ですね。
川上犬前側

今年の更新は、本日で終了です。
新型コロナウィルス感染防止のため、今年は
2か月ほどしか開館できませんでした。
新型コロナウィルスの早い終息と再開館を
願っております。
時節柄、みなさまもご自愛ください。
それでは、よいお年を。

2020/12/16
★新展示紹介 ヒメウ(剥製)
新たにヒメウの剥製標本が仲間入りしました。
ウミウとカワウと合わせて神奈川県に生息
する3種のウ類が揃いました。
中央がヒメウ

ヒメウは、野外でみるとウミウやカワウと比較し、
嘴や首が細く、かなりきゃしゃな印象を受けます。
野外でのヒメウ
しかし剥製を並べてみると、水かきのついた足指は、
ほかの2種と比べてもほとんど同じくらい大きく
形もほとんど一緒でした。
ヒメウの小さな体に不釣り合いな足指
ウ類の足指は、すべての指に水かきがつながっています
(全ぼく足)。これで水中を潜水しますが、もう一つ
飛び立つときに水面を数回掻いて体を浮かせる時にも
役立ちます。この時に二つの脚を同時に後方へ蹴ります。
連続うさぎ跳びで水の上を走る、すごい運動能力ですね。

2020/12/09
★クスノキが実盛り
博物館の北側にはクスノキがあり、多くの野鳥が
訪れています。中でも多いのが、ヒヨドリで
ツグミもちらほら見かけます。
彼らはクスノキの黒熟した実を食べに来ているの
です。
落果したクスノキの実
クスノキの実

博物館のヒヨドリ標本

博物館のツグミ標本

クスノキは全部で12本もあり、
そのいくつかは20mを超える巨木です。
クスノキの巨木

南関東のクスノキは、自生ではないといわれて
いますが、古くからヒトとの関わりの深い樹木です。
各地の古墳時代の遺跡からはクスノキをくりぬいて
作った丸木舟が出土しています。
また防虫剤として使用される樟脳がとられて
きました。クスノキ科の植物はみな香りがありますが、
クスノキは実も葉も枝もさわやかな香りがします。

2020/12/02
★常設展示紹介 シロサイ
1階展示室入口すぐのところにシロサイが
展示してあります。

シロサイ全身骨格

 このシロサイは他のシロサイに比べ
長いツノの持ち主だったようです。

シロサイ頭部

 サイのツノは、皮膚が角質化して固くなった
繊維が集まってできたものです。ひげや爪と
同じくケラチンが主成分です。

ツノを固定する頭蓋骨側の骨は、凸凹しています。

シロサイ頭蓋骨

シロサイ頭蓋骨2

この凹凸の部分からツノが生えているのですね。

サイは、木や岩などの固いものにこすりつけて、
自分でツノの形を整えるとか…。

シロサイ別個体ツノ

 1階のサイは長いツノが好みだったのでしょうか。
案外、伸ばしっ放しだったとか…。

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