骨の博物館

2020/10/28
★オギの話
皆さんは、萩原さんと荻原さんと
読み違えてしまったことはありませんか。
萩も荻も秋にめでる植物ですが、萩はご存知ですね。
ヤマハギ

では荻は?よく聞くわりに
姿の思い浮かばない方が多いのではないでしょうか。

これが荻(オギ)です。
オギ

うん、そうだね。と思われた方は、
この先は見る必要はありません。
あれススキでは?と思われた方は、
この後も見て下さい。
ススキはこちらです。
ススキ
互いにススキ属で近縁なので
似ていて当然ですが、生え方が違っています。

オギは、湿地に生えて、
茎(イネ科では稈(かん)と呼ぶ)がまばらに生えます。
一方ススキは、やや乾いた土地に生えて、茎(稈)が
一ヶ所から束になって生えます。

より詳しくみると、オギの穂は白いのに対し、
ススキはやや茶色味が濃く、
背丈もオギの方が高い傾向があります。
そして穂は、、、。
興味をもった方はルーペを使って穂も比べて見て下さい。
きっとまた驚きがありますよ。


2020/10/21
★アオジの初認
今朝、大学近くの谷戸田んぼでアオジを見ました。
この冬の初認です。
この時期、鳥たちの世界は渡りによる移動が盛んです。

アオジは、この辺りでは冬鳥ですが、
北海道や東北の高原などで夏を過ごすものもいるので、
国内の渡り移動をする鳥、
漂鳥(ひょうちょう)と呼ばれます。
アオジとホオジロ

アオジを含むホオジロ科の鳥は
茶色っぽい地に黒の班があるため
一見スズメの模様に似ています。
ホオジロ科の中でもアオジは
特に黄緑色がかっているため
叢(くさむら)の中では目立ちません。
すずめ

ホオジロ科の仲間とスズメを見分けるポイントは、
飛んだ時に尾羽根外側の
左右の羽根が白いことです。
これは、シカのお尻の白い毛と同様に
仲間に危険を知らせる合図の役割があります。

アオジとホオジロ

シカのしっぽ

これから冬から春にかけて、
少しうす暗い林の縁などで
ちょんちょんと地面を跳ねながら、
チッ、チッと鳴いている鳥がいたらきっとアオジです。
身近な公園にもいますので、是非探してみて下さい。


2020/10/14
★野菊のなかま

秋は紅葉や木の実など植物観察の楽しい時期です。
野菊の仲間は、人里近くでも楽しむことができます。
野菊

田の畔や林の縁や道端の土手など
人が適度に草刈りをしているような場所に
群落をつくります。
野菊

野菊

キクの仲間の特徴の一つですが、
一つの花に見えるのは実はたくさんの花の集合体です。
中央部に筒状花(とうじょうか)、
その周囲に一枚だけ花弁をつけた
舌状花(ぜつじょうか)をつけています。
これらを合わせて頭花(とうか)と呼びます。
野菊

野菊に限らず、植物は生育環境には敏感です。
明るい場所、半日陰、乾いた場所、湿った場所等
生育環境を選びます。
気になる野菊があったら、写真を撮って
博物館の人に聞いてみましょう。
その時には、生えていた環境も記録をとりましょう。


2020/10/07
★秋の訪れ~どんぐり~
大学の2号館前に植栽されているコナラが
どんぐりをつけました。
2号館前どんぐり

どんぐりは、ナラ類やカシ類などの
ブナ科植物の果実のことですが、
植物用語では、堅果(けんか)
または殻斗果(かくとか)と呼びます。
殻斗とは、どんぐりの帽子のことです。

昨年11月に博物館実習をした際、
実習生がどんぐり地図を作りました。
どんぐりマップ
学校内では、コナラ,クヌギ,シラカシ,アラカシ,
ウバメガシ,マテバシイ,スダジイの
どんぐりを観察できます。


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