TEACHER

教員紹介

川井泰 教授

INTERVIEW

食品開発は地道なプロセス。
豊富なカリキュラムと、
研究を主体とした教員により、 食品開発を担う人材を育成します。

川井泰 教授

食品開発を基礎から幅広く学べるカリキュラム

皆さんの多くは、食品の開発という仕事に憧れを持ち、この食品開発学科を志望されたのではないでしょうか。確かに新しい食品をつくるという仕事は楽しく、夢ややりがいにあふれています。しかしそのために必要とされる知識やスキルは膨大で、スタート地点に立つだけでも決して容易ではありません。本学科の特長は、こうした食品開発に関する多様な学びを、基礎から得られるという点にあるでしょう。食品に関する講義は経験豊富な教員により、早くも1年次の4月から始まります。カリキュラムの内容も、食品の原料から製造プロセス、味・色・香り・食感、健康増進などの食品機能や食品分析、安全性に至るまで、大変バラエティに富んだものです。食品についてこれだけ幅広く、基礎から学べる場は他にはなく、誰もがその中から、自分なりに興味のある分野を見つけ、学びを深めていくことができるのではないでしょうか。

川井泰 教授

研究プロセスを一から経験できる研究主体の学科

私は今、ヨーグルトに添加されている機能性の乳酸菌(ガセリ菌)が生産する抗菌ペプチドについて、基礎から応用までさまざまなレベルでの研究を行っています。同じように本学科の教員は、いずれも独自の専門分野を持ち、研究を主体とした活動に取り組んでいます。それが本学科のいちばんの強みであると、私は考えます。研究の地道なプロセスを基礎から学び、「知らないことを明らかにする」経験は、学生の皆さんにとって大きな自信にもつながるでしょう。この課程をいかに通過するか、それが将来開発者となったときにも生きてくると思います。

川井泰 教授

STAFF教員一覧

食品創生分野

  • 都甲洙[食品冷凍・食品機械]

    食品冷凍は、食品の腐敗、色・味・食感の変化、品質低下を防ぎます。食品冷凍に伴う冷凍保存、乾燥、品質評価、コールドチェーン、氷結晶計測、食品内部構造の3次元計測、また、食品機械の研究を行っています。

  • 川井泰[発酵乳と乳酸菌の科学]

    乳と乳成分、ヨーグルト・チーズ、またガセリ菌などの乳酸菌とその生産される抗菌物質を含む代謝産物の特性に関する基礎的な研究から、遺伝子組換、機能性食品への応用、食品保存剤の開発までを行っています。

  • 陶慧[未利用資源の有効利用]

    食品工業で重要となる「安全・環境適応・高効率」のキーワードを考慮し、加工・改質・保存について研究をしています。SDGs を目標とした未利用資源の有効利用、環境負荷の少ない生産プロセス開発が主な内容です。

  • 鳥居恭好[食品資源の高次活用]

    食品化学・生化学を基盤に、発酵食品・茶・キノコ・海産物などの食品資源の高付加価値化や高次の活用を目指した研究を行っています。海外機関との共同研究、地域連携・産学連携にも積極的に取り組んでいます。

  • 阿部申[食品の圧力処理]

    食品の非加熱加工手段である圧力処理に着目して、食品製造工程への圧力処理の応用を検討します。加熱処理とは異なる現象や作用機序を明らかにし、新しい食品加工技術の構築をめざします。

  • 成澤直規[新規納豆の開発]

    発酵食品について、微生物学や食品化学の視点から研究を行っています。う蝕予防効果を有する新規納豆の開発、乳酸菌を利用した発酵飲料の開発、木桶を利用して製造された醤油の特徴について研究をしています。

食品機能分野

  • 細野朗[腸管免疫系と腸内細菌]

    消化管の生理機能のうち、体内に入った病原菌やウイルスに対する感染防御、アレルギーや炎症反応などを抑えるはたらきなど、いわゆる腸管免疫系のしくみと腸内細菌や食品に注目した研究を行っています。

  • 山下正道[炎症の病態生理解明]

    食品成分や喘息・関節リウマチの治療薬などの、炎症の脂質メディエーター代謝および核内受容体に対する影響を、マスト細胞やマクロファージの培養細胞を用いて解析し、炎症の病態生理を解明する研究をしています。

  • 大畑素子[食品の香り成分]

    食品の品質やおいしさを決める因子の一つに香りがあります。食品の香り成分について化学的な解析を行うとともに、香り成分を嗅ぐことでもたらされる様々な生体機能について栄養学的視点から研究をしています。

  • 津田真人[感染症・アレルギー予防]

    免疫系を調節する食品の機能性について研究しています。食品成分や腸内細菌が免疫系の細胞の分化やはたらきを調節する仕組みを解明し、感染症やアレルギーの予防に役立つ機能性食品の開発をめざしています。

  • 山口勇将[食品の未知機能探索]

    食品には人々の健康を支える機能がありますが、どの成分がどの様に効果を発揮するのかわかっているのはごく一部です。私の研究では、嗜好性や利用性も考慮に入れながら、食品の未知なる機能を探索しています。

食品安全分野

  • 鈴木チセ[乳酸菌と酵母の相互作用]

    悪玉菌をやっつける微生物制御について、乳酸菌と酵母が作る攻撃物質や防御機構および相互作用の解明を通して取り組みます。乳酸菌を用いた宿主の腸管の変化を検出する微生物プローブの開発にも挑戦します。

  • 松藤寛[食品の有用性と有害性]

    天然物や未利用資源を対象として、様々な分析機器や分析化学的手法を用いて含まれる有用成分や有害成分を明らかにし、有効利用あるいは安全性を明確にした高品質な食品を提供・提案する研究を行っています。

  • 大槻崇[食品の安全性と品質保証]

    食品関連成分を対象とした測定対象の標準品を使わない新たな分析法の開発や食品添加物の公定な分析法の性能評価など、「食品の安全性の一層の確保」、「食品の品質保証の更なる向上」へ向けた研究を行っています。

  • 河原井武人[非加熱殺菌法の実用化]

    現在主流の食品の加熱殺菌は食品劣化や環境負荷などに課題があります。これを解消する代替手法として、食品中の殺菌性成分や、光や圧力を利用した非加熱殺菌法の実用化をめざした研究を行っています。

  • 京井大輔[食中毒低減・食品腐敗防止]

    主に微生物を対象とした食品衛生を専門として研究しています。具体的には、微生物の特徴や挙動を調べて、食中毒のリスクを減らすことや食品の腐敗を防止することを目標に研究を行っています。