山本孝史
(農林水産省家畜衛生試験場)
Overview of the taxonomical studies of animal mycoplasmas in Japan
Koshi YAMAMOTO,
National Institute of Animal Health
獣医学領域では研究対象とする動物種が多いため、必然的に多種のマイコプラズマ菌種を研究対象とすることになる。そのため分類学的研究が数多くなされ、本学会を舞台にわが国の研究者により新種として命名された菌種が多数ある。
すなわち、跡部らは各種動物由来アコレプラズマ菌種の分類学的研究をなし、アコレプラズマ菌種としてはきわめて増殖が悪く生化学性状も不活発な菌群を Acholeplasma parvum と命名した。清水らはハトに寄生するマイコプラズマについて系統的な研究をなし、Mycoplasma columbinasale、M. columbinum、M. columborale の3菌種を、 小林らはアフガンナキウサギの 生殖器から 分離された 菌 種 をM. lagogenitalium と命名した。一方 1970 年頃より乳用牡犢の肥育が盛んになるにつれ子牛の肺炎が多発し、原因究明の過程でウレアプラズマが起因菌として注目されるようになってきたのを契機に、本菌群に関する関心が高まり、輿水らは鶏由来の ウレアプラズマを Ureaplasma gallorale 、原沢らはネコ由来菌種を U. cati および U. felinum と命名した。このように獣医学領域では、マイコプラズマ学としては分類学的研究において優れた業績がなされている。
その他獣医学領域では、細胞汚染マイコプラズマに関する研究や実験動物のマイコプラズマ症に関する研究においても幾多の業績が残されているので、時間が許す限り概観し今世紀の締めくくりとしたい。