Qualification/Course資格・進路

活躍する卒業生:就職

昭和63年度卒業 蔵田 團果さん

『地球の裏側で国際協力』

 スリナムと言う国をご存知の方は、殆どいないのではないでしょうか。南米大陸の北東にある小さい国です。そう言う私とて、国連ボランティア(UNV)としてこの国に来ることが決まるまで全く知らない国でした。国際協力に感心のある方でもUNVと聞けば、紛争地帯の処理活動とか、途上国の選挙監視とかといったイメージを持っていると思いますが、実は、UNVにも色々な職種が存在し、私も獣医師としてのProjectを進めています。

 ここスリナムで私に課せられたProjectは、家畜疾病の調査と、と畜場の枝肉衛生管理システムの立ち上げということで、この背景には、OIEリストAにあるような家畜疾病が発生していないこの国が、カリブ海諸国に向けての牛肉輸出市場を確保したいということがあります。しかし、様々な検査に必要な試薬などが入手困難な国において調査や検査を進めていくのは、一苦労で、検査know howを知る獣医師やアシスタントが殆どいない状況も重なり現在足踏み状態が続いていますが、日本の友人達の協力も得ながらProject遂行に向け目下奮闘中です。

獣医師を目指す皆さんへのメッセージ

 獣医学って、色々な面があって自分の興味の持ち方一つで全く違うことをすることになります。例えば私は学生時代、魚の免疫診断学みたいなことをしていたのに公務員として就職してからは、牛の繁殖、受精卵移植、肉質診断そんなこともしたし、協力隊員時代は、それこそ何でも屋で犬猫の手術から馬の治療、現在UNVとしては、肉の細菌検査なんかもやらざるを得なくなっており、そう言った意味で、自分に対する可能性の選択肢が沢山用意されていると思います。MicroからMacroまで結構楽しめます 。

 1枚目(写真A)は、こちらのと畜場のもので、食肉検査員が検査しているところです。昨年Openしたばかりの牛専用のと畜場で一応EU規準で建てられていますが、コンプレッサー容量が小さいためこのところよくBreak downしています。2枚目(写真B)は、この国での肉用主品種のZebu(Brahman)で、この農場は国内で1、2の規模、主に生体でlocal farmer に販売しています。交配方式は、勿論自然交配です。家畜と言えど、この状態で飼養されているとかなり野生に近く狂暴です。3枚目(写真C)は、同じ農場で飼養されている羊です。肉用種なので毛足が短かく、一寸見、山羊と間違ったりしますが、後ろ姿を見れば羊とわかります。

写真A

写真A

写真B

写真B

写真C

写真C

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