Qualification/Course資格・進路

活躍する卒業生:就職

平成11年度卒業 池田 和彦さん

『Malo le soifua!』

 みなさんはサモアという国をご存知ですか?南太平洋に浮かぶ小さな島国、私はそこで青年海外協力隊として2年間、小動物臨床医として活動しました。私が所属していたのはサモア在住のニュージーランド人やオーストラリア人が中心となって設立したNGOで、犬と猫の診療を行っていました。私の他にも外国人ボランティア獣医師が数名いました。主な活動内容は、犬と猫の避妊・去勢手術、一般診療、飼育指導などです。特にサモアでは野犬の問題が深刻化していたので、避妊・去勢には力を入れて活動を行っていました。この組織は設立されて10年程ですが以前と比べて野犬の数が減少したという内容も聞かれたので、今後の活動に期待したいと思っています。

 活動は往診専門で、それぞれ獣医師が個々に往診します。診療も手術も屋外で行うことがほとんどで、検査器械もなにもなく、問診と自分の判断で診断を下し治療をします。幸い、薬などはサモア国立病院やニュージーランドから入手できるので、ある程度の治療はできます。ところが、サモアのほとんどの一般家庭で犬が飼われているのですが、愛玩動物としてではなく番犬としての目的で飼われている家庭が多く、病気の動物に対して(他の理由からということも多くありますが)安易に安楽死を求める飼い主が非常に多いということに驚きました。その一方で、飼い犬をとても大事にしている飼い主に出会うこともありました。

 海外で活動することによって、それぞれの国の文化の違いで動物に対する考え方にも違いがあるということもわかり、非常に有意義な活動期間であったと思います。

 現在は動物病院で勤務しています。獣医学の進歩も目覚しいものがあり、検査機器や治療方法などもさまざまに進化していますが、動物たちが望むであろう最良の治療を提供できるような獣医師を目指したいと思います。

獣医師を目指す皆さんへのメッセージ

 一口に獣医学といっても日本を離れるとまた違った装いがあるので、グローバルな知識を身につけて自分なりの獣医師を目指して欲しいと思います。

 ちなみにMalo le soifua というのはサモア語で丁寧な挨拶の言葉です。

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