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水上演習林観察日誌


水上演習林観察日誌38

 7月5日から線上降水帯が九州北部に停滞し、福岡県朝倉市では24時間総雨量が545oを記録する大雨になりました。福岡県朝倉市・東峰村、大分県日田市・中津市では記録的豪雨の為、河川の氾濫や土砂災害が発生しました。今回は前回の芽吹き後の樹木と自動撮影装置で撮影された動物を紹介します。

樹木の芽吹きその後

 芽吹き中の葉で樹種が分かりましたか。

写真1
写真1
エゾアジサイ
エゾアジサイ

 エゾアジサイはヤマアジサイの変種で、名前のように北海道や本州の日本海側に生育します。ヤマアジサイと比べて、葉や花序が大きく花序は10p以上あります。

写真2
写真2
ウリハダカエデ
ウリハダカエデ

 側芽の冬芽の有柄芽が見えます。葉柄に溝がありテツカエデ(溝ナシ)と区別できます。若木の樹皮がマクワウリの果皮の色に似ていることからウリハダカエデの名前がつきました。

写真3
写真3
ヒロハゴマギ
ヒロハゴマギ

 枝や葉からゴマの匂いがします(ゴマギの名前の由来)。ゴマギの変種で日本海側に分布します。ゴマギと比べて葉や花序が大きいのが特徴です。

写真4
写真4
ツルアジサイ
ツルアジサイ

 気根を出して他樹木や岩に絡みつくツル植物です。アジサイ属で3〜4個の装飾花をつけます。樹皮が剥がれるので、イワガラミと区別できます。

写真5
写真5
ガマズミ
ガマズミ

 別名アラゲガマズミの通り若枝や葉柄に開出毛が目立ちます。里山に生育します。

写真6
写真6
ミヤマガマズミ
ミヤマガマズミ

 ガマズミと比べて葉先がとがり毛はまばらです。深山に生育するのでミヤマガマズミの名前がつきました。

写真7
写真7
ウリカエデ
ウリカエデ

 葉の長さは4〜8pで、葉の切れ目のないものから3裂〜5裂するものがあります。樹皮の色は帯青緑色でマクワウリの果皮に似ていることからウリカエデの名前がつきました。

写真8
写真8
ミツデカエデ
ミツデカエデ

 葉は名前の通り3出複葉です。メグスリノキの3出複葉に比べて小葉の先がとがります。

写真9
写真9
オニイタヤ
オニイタヤ

 イタヤカエデの変種で、葉裏に短毛が多くケイタヤの別名があります。

写真10
写真10
イワガラミ
イワガラミ

 気根を出して他樹木に絡みつくツル植物です。ツルアジサイが3〜4個の装飾花をつけるのに対して、装飾花は1個です。ツルアジサイのように樹皮が剥がれることはありません。

自動撮影装置

 イノシシが増えて、子供を確認しました。体に縞模様があり「うり坊」を呼ばれています。

(2017年7月)