演習林情報

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水上演習林観察日誌


水上演習林観察日誌30

 今年の梅雨は寒気の南下の影響で、局地的に雷雨を伴って激しい雨や突風が吹き、被害が出たところがありました。梅雨明け後は東京では35℃以上の猛暑が続いて、連続記録の更新がありました。演習林では雷雨を伴った180oの豪雨が4時間で降り、林道に土砂が貯まり車の通行ができない被害がありました。今回は前回の芽吹き後の樹木と自動撮影装置で撮影された動物を紹介します。

樹木の芽吹きその後

 芽吹き中の葉で樹種が分かりましたか。

写真1
写真1
タラノキ
タラノキ
 写真1は山菜として有名な若芽タラノメです。栽培されているトゲのない品種をメダラと言います。開葉した成葉は2回奇数羽状複葉です。
写真2
写真2
 ハリギリ
ハリギリ
 写真2もトゲがあります。タラノキと同じウコギ科のハリギリです。この若芽も山菜として食用になります。あくが強いのでアクダラの別名があります。
写真3
写真3
リョウブ
リョウブ
 リョウブの若芽も食用になります。ご飯にまぜてリョウブ飯を作ります。樹皮はまだらに剥がれます。
写真4
写真4
ハウチワカエデ
ハウチワカエデ
 枝の先に新芽が2個ついています。カエデ科の樹木の内、仮頂芽を2個つけるハウチワカエデです。葉をうちわにたとえてハウチワカエデの名前がつきました。
写真5
写真5
オオヤマザクラ
オオヤマザクラ
 芽吹いた鱗片が粘ります。吉野山はヤマザクラが有名ですが、オオヤマザクラはヤマザクラより高標高・高緯度に分布します。
写真6
写真6
ホオノキ
ホオノキ
 タムシバ同様白い托葉が目立ちます。托葉は開葉後に落ちます。大きな葉は食器として使ったり、食べ物を包んだりして使いました。岐阜県高山の朴葉味噌は有名です。
写真7
写真7
カツラ
カツラ
 花は葉が展開する前に咲きます。黄葉期に甘いカラメルの香りが漂います。香りは離層にできるマルトールという成分です。黄葉した葉を抹香の材料にします。
写真8
写真8
ハクウンボク
ハクウンボク
 開葉中の右側に副芽が見えます。主芽が寒害・虫害等で展開できなかった場合、副芽が芽吹いてきます。
写真9
写真9
コナラ
コナラ
 若い葉には絹毛があり、銀色に輝いて見えます。
写真10
写真10
ニワトコ
ニワトコ
 若芽は山菜として食べられますが、青酸配糖体を含みますので多食すると下痢をします。成葉は奇数羽状複葉で特有の臭気があります。

自動撮影装置

 今春からブッシュネル社のトロフィ−カムを導入し動画撮影を始めました。早速ニホンイノシシの泥浴びが記録されました。これでニホンツキノワグマ・ホンシュウジカと主な泥浴びが記録されました。

動画 イノシシ(1)
動画 イノシシ(2)
動画 イノシシ(3)

(2015年8月)