今年の降雪は早く12月6日から根雪になり、その後降雪も続き例年を超える積雪になりました。今回は冬季の樹木観察方法と平成26年度の自動撮影カメラの結果を報告します。
冬季の樹木識別として冬芽は判別材料の主役になります。今回から冬芽に注目してみます。
冬芽は葉の変形した魚の鱗状の芽鱗に包まれている鱗芽(りんが)と芽鱗に保護されていない裸芽(らが)に分けることができます。また冬芽は葉になるものだけでなく、花になる冬芽もあります。葉になる冬芽を葉芽(ようが)、花になる冬芽を花芽(かが)と言い、花芽の方が丸くて大きい形をしています。さらに混芽(こんが)と言って葉と花の両方が入っている冬芽もあります。冬芽は鱗芽が多く、鱗芽の形態よる分類は難しいので冬芽図鑑に任せるとして、ここでは特徴のある冬芽を紹介します。
1.革質の鱗芽
革質の芽鱗に包まれている樹種としてホオノキ・タムシバの葉芽等を挙げることができます。
2.毛皮状の鱗芽
毛皮状の芽鱗に包まれている樹種としてタムシバの花芽等を挙げることができます。
ホオノキ |
タムシバの葉芽(左)と花芽 |
オニグルミ |
ムラサキシキブ |
シラカンバ雄花序(裸芽) |
ツノハシバミ雄花序(裸芽) |
冬芽全体 |
葉芽(鱗芽) |
雌花序の冬芽(裸芽) |
雄花序の冬芽(裸芽) |
リョウブ(鱗芽) |
リョウブ(裸芽) |
サワグルミ(鱗芽) |
サワグルミ(裸芽) |
キブシ(ふさ状) |
ムシカリ(ウサギの頭・葉裸芽) |
キリ(錫杖の頭) |
ニワトコ(左が混芽) |
トチノキ(樹脂で保護) |
フジキ(白い膜質の袋) |
ヌルデ(黄褐色の軟毛) |
ミズキ(濃紅紫色の光沢) |
平成26年度は5月7日から12月10日まで自動撮影カメラを設置しました。この間に写った動物は哺乳類15種アカネズミ・コウモリsp・トウホクノウサギ・ニホンアナグマ・ニホンイノシシ・ニホンカモシカ・ニホンザル・ニホンツキノワグマ・ニホンリス・ハクビシン・ホンシュウジカ・ホンドイタチ・ホンドキツネ・ホンドタヌキ・ホンドテン、鳥類12種アカゲラ・カケス・キジバト・クロジ・クロツグミ・サシバ・シロハラ・トラツグミ・ビンズイ・フクロウ・マミチャジナイ・ヤマドリを数えました。
今年度は10月にニホンツキノワグマがコナラ・ミズナラのどんぐりを頻繁に食べに来たようで、写った回数が急激に増えました。コナラ・ミズナラのどんぐりは不作と言われていましたが、演習林では豊作でした。カメラに興味を持ちイタズラをされました。その他の傾向としてニホンイノシシとホンシュウジカの写った回数が増えてきました。
ニホンツキノワグマ鼻 |
ニホンツキノワグマまつげ |
ニホンツキノワグマ親子 |
ニホンツキノワグマ親子 |
ホンシュウジカ雄 |
ホンシュウジカ雌親子 |
ニホンイノシシ |
ニホンイノシシ泥浴び |
(2015年2月)