日本大学生物資源科学部生命化学科
土壌圏科学研究室

 
 
 
 

 主な研究内容

土壌圏科学研究室では、「土の惑星地球」にだけ存在する様々な土壌の機能と役割を、フィールド調査と室内実験により明らかにし、土壌資源と地球環境の保全を目指しています。具体的には、下記に示すとおり、土壌生成から農業、地球環境までの幅広い研究を推し進めています。

食品・植物残渣の加熱焼成物の有効利用に関する研究

現在、土壌肥沃度の低下を抑制するために様々な有機性廃棄物を原料とした堆肥、コンポストの土壌施用を行い、土壌肥沃度の維持向上が努められています。しかし、農業従事者の高齢化と減少化に伴い、有機廃棄物を材料とした資材の土壌施用は低下し、化学肥料に頼る農業形態に変貌しつつあります。本研究では、堆肥化過程でしばしば懸念される悪臭などを発生させず、かつ人口集中する都市近郊の持続的な農業生産のための土壌肥沃度の維持を目的として、重金属類などの有害物質を含まない農業廃棄物(油菜、竹、稲わら等)や食品原料廃棄物(おから、コーヒー豆残渣、鱗など)の加熱焼成物による土壌肥沃度改善方法を検討しています。
(平成29~32年度 文部科学省科学研究費 基盤研究C研究課題)

 

土壌中のペリレンキノン系色素に関する研究

土壌は大気CO2の炭素量の約3倍(23000億トン)に相当する炭素を土壌有機物として蓄積しています。土壌環境科学の分野では、「地球温暖化によって促進される土壌有機物の分解によって、どの程度大気中のCO2濃度が増加するのか?」を予測することが重要な研究課題のひとつとなっています。しかし、土壌は多様な環境と時間のもとで生成されるため、土壌有機物の分解程度も土壌によって多種多様です。これは、温暖化による土壌有機物の分解量の予測を困難にします。本研究では、様々な土壌に分布するペリレンキノン色素を土壌有機物のモデル化合物のひとつとして用いることで、複雑な土壌有機物の安定化と分解に関する疑問点を解き明かすための研究を展開しています。また、抗菌試験などから土壌中における同色素の生理活性物質としての役割も検討します。
(平成29~32年度 文部科学省科学研究費 若手研究B研究課題)

関東域に分布する火山灰土壌に関する研究

これまでに我々人類が獲得した知見では、土壌が存在する惑星は地球だけであり、地球上で多種多様な動植物の生存を可能とする拠り所は、土壌圏であると考えられています。日本には107の活火山が存在し、世界の活火山の7%を占めています。特に関東地域には最近2万年間に活動した主な火山として富士山、箱根山、八ヶ岳、浅間山、草津白根山、榛名山、赤城山、男体山などが挙げられます。これら火山より供給された噴出降下砕屑物(火山灰)の分布は、関東圏の人口が集中した都市圏に新鮮な野菜、果物などを供給する農業活動の重要な因子となります。本研究では、関東域に分布する火山灰土壌の生成過程と諸性質について、現地調査と化学的手法を利用して研究しています。

 

ベトナム・メコンデルタにおけるヒ素の形態に関する研究

ベトナムのメコンデルタ流域には水田地帯が広がっていますが、当該地域はヒ素の可溶化による水稲へのヒ素移行が問題視されています。ヒ素は酸化還元状態によって毒性の極めて高い3価の亜ヒ酸と、毒性の高い5価のヒ酸の形態をとります。また毒性の低い有機ヒ素も存在します。本研究では、メコンデルタ水田土壌における酸化還元状態がヒ素の形態に及ぼす影響を、HPLCを用いた形態別As分析法によって掌握し、水稲へのヒ素の吸収抑制を目指した適切な水管理法を提案します。

 

酸性土壌におけるアルミニウムイオン種の存在形態に関する研究

降水量が蒸発散量を上回るわが国の土壌pHは、石灰岩を母材とする南西諸島などの地域を除くとほぼ酸性を示します。さらに、化石燃料の燃焼による酸性降下物(NOxやSOx)の沈着や、集約的な農地利用(化学肥料の大量施用など)によって土壌酸性化は深刻化しています。土壌酸性化は植物に必要な塩基類の欠乏だけでなく、生物に極めて有害なアルミニウム(Al)イオンの溶解も招きます。土壌中のAlイオンの形態は、粘土鉱物やコロイド物質、種々の陰イオン、土壌pHなどにより変化することが知られており、土壌環境におけるAlの毒性に大きな影響を及ぼします。本研究では、様々な酸性土壌における各種Alイオンの形態を分別定量して、その形態を評価するとともに、持続的な食糧生産のための有効な農地管理法を検討します。

 

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