就職と資格

食品素材や食品資源の有効利用、高付加価値化を目的として、食品化学、生化学、微生物学、食品製造学、分子生物学、食品物理化学など多様かつ幅広い手法を用いて基礎的・応用的研究を行っています。現在、本研究室で進めている研究の一部を紹介します。

取得資格と就職先

納豆の新規機能性に
関する研究

納豆は蒸煮した大豆を納豆菌で発酵させたシンプルな発酵食品ですが、栄養価が高く、ビタミンKなど多くの機能性を含む有益な食品です。
当研究室では納豆に虫歯の原因菌であるストレプトコッカス・ミュータンスの付着を抑える効果があることを見出しました。もしかすると納豆は虫歯を予防できる新たな機能性食品として利用できるかもしれません。
現在はその抑制メカニズムを明らかにするとともに、より効果の高い納豆製造法について研究を行っています。

魚醤油の発酵に関する研究

魚醤油とは魚介類を塩と共に漬け込み、発酵熟成させた液体調味料のことです。世界的に見ると魚醤油は大豆を原料として作られる醤油よりも多くの人々に利用されています。魚醤油は東南アジアを中心に中国や韓国などで多く生産されており、日本においても古くから製造されています。
当研究室では世界各国で生産される魚醤油の成分的な特徴を比較解析し、各国間での食文化の類似点、相違点について検討を行っています。

ザクロ果実に関する研究

ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉小高木で、ひとつの果実の中にたくさんの実(アリル)がなるのが特徴です。
ザクロはブドウやリンゴなどの主要果樹に比べると生産量は少ないですが、ギリシア神話にも登場するくらい古くから人間と深い関わりを持つと言われています。
ザクロ果汁にはポリフェノールなどの抗酸化成分、抗菌性、肥満防止や抗腫瘍性など幅広い機能性効果が報告されています。日本では主に観賞用として栽培されており、商業的な栽培はほとんどありません。将来的なザクロの国内生産をめざし、国内外のザクロを対象として機能性成分の評価とその遺伝的背景について研究を行っています。

青果物の冷凍保存に
関する研究

野菜や果実といった青果物は、冷凍保存のニーズが高い一方で、肉や魚、その他の加工製品と比較すると冷凍した後の品質が著しく低下します。その要因は、青果物独自の水分含量の多さや細胞構造の特性であると考えられていますが、詳細は不明であります。
また、青果物の中には冷凍解凍後の品質が比較的保たれるものと、著しく低下するものが存在します。更に、同一青果物の中でも品種によって冷凍耐性が異なります。
当研究室ではなぜ青果物は冷凍耐性が低いのか、また青果物間や品種間で冷凍耐性の違いが生ずるのは何故なのかを明らかにしたいと考え、研究を進めています。
青果物を、高品質を保ったまま冷凍操作によって長期保存することが可能となれば、流通量の調節が可能となり、食品廃棄の低減にも繋がると考えています。

澱粉食品の
フリーズドライ操作に
関する研究

フリーズドライ操作は、一旦食品を凍結した後に、減圧低温下に置くことで氷を昇華させて乾燥させる乾燥手法の一つです。フリーズドライ操作では、高温での加熱を必要としないことで色調や香り、食感などの品質を保持しやすく、乾燥物が多孔質かつ非晶質(結晶ではない)の固体となるため湯戻りが良いといった利点があります。
これらの利点を生かして、高級なインスタントコーヒーやインスタントみそ汁などが製造されています。しかしながら、デンプンを含む食品は他の食品と比較すると、フリーズドライをした後の湯戻りが劣ってしまいます。
現在この要因や制御方法を解明したいと考え、研究を進めています。

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