日本大学生物資源科学部

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FACULTY
2014.6.13

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本学部の教員には、それぞれの専門分野に対する深い造詣やユニークな研究テーマを持ち、かつその分野にとらわれない幅広い活動を展開しています。ここではそうした教員の研究や活動などのエピソードについて紹介。彼らの素顔も垣間見られるかもしれません。そして私たちの身近なところにも教員たちの成果が息づいているかも。

人気動物園の園長として希少種の保全に取り組む KOICHI MURATA

profile

日本大学生物資源科学部動物資源科学科教授。よこはま動物園ズーラシア園長。宮崎大学農学部獣医学科卒業。1977年神戸市に入庁。1978年より神戸市立王子動物園に勤務。同園に23年間勤務した後、2001年日本大学生物資源科学部助教授、2004年同大学同学部教授に。2011年7月、よこはま動物園ズーラシア第2代園長に就任。専門は野生動物医学、野生動物保全学、動物園学。日本野生動物医学会顧問、国際自然保護連合専門家グループ東アジア地区委員等も務める。本学部卒業生でもある一人っ子の娘さんに最近初孫が誕生。

動物資源科学科 教授
村田 浩一

 横浜市旭区にある「よこはま動物園ズーラシア(以下、ズーラシアと表記)」。日本最大級、またオカピなどの珍しい動物を飼育していることで人気の高いこの施設の園長を、本学部動物資源科学科の村田浩一教授が務めています。動物園園長と大学教授の兼務は、現役では国内で唯一とのことです。
 ズーラシアには、他の動物園には見られない特長がいくつかあります。一つは「生息環境展示」。動物が本来生息している環境をできる限り再現したスペースで飼育・展示を行っています。十分すぎるくらいの広さを確保し、建物なども含め生息地の様子を再現。動物の健康と幸福を重視した環境エンリッチメントを重視しています。
 もう一つは「希少種の保全」に積極的に取り組んでいること。園内に横浜市の施設である「繁殖センター」を設置し、稀少野生動物の飼育・繁殖に関わる調査・研究を行っています。村田教授は同センターの担当部長も兼務。大学での研究と動物園における飼育や繁殖の実務を連携させながら、生物多様性の維持という大きなテーマに取り組んでいるのです。

動物園飼育員を23年経験

 村田教授は、大学で獣医師免許を取得した後、神戸市の衛生局に就職します。ところが動物に関わる仕事をしたいという気持ちが抑えられなかったため、土日を使い自主的に神戸市立王子動物園で実習をしていました。そこで園長に声をかけられ、同動物園に異動。それから23年間、動物園飼育員兼獣医師として経験を積むことになります。
 2001年に本学部に着任。その10年後に「横浜市動物園のあり方懇談会」に招聘されたことをきっかけに、初代園長が亡くなり空席になっていたズーラシアの園長を兼務することになりました。

「当時から横浜市は、『地球上の環境破壊の問題に横浜市民に責任がないとはいえない』といった先進的な考え方をしていました。そうした理念に共鳴したこともあり、ズーラシアの園長就任を引き受けました」
驚きや感動を学びに変える

 「動物園は単に楽しい場所だけではありません」と村田教授。ベースには繁殖や保全に関する学術研究があり、それこそが本来の動物園のあるべき姿だということです。

「子どもたちには、動物園に来てまず驚きや感動を味わってもらいたい。そしてそれが次第に学びに変わっていくことが理想です。命の大切さや自然環境を守る問題意識をもつきっかけを作るのも動物園の大事な役割だと思っています」

 動物資源科学科では「動物園学」という科目を開講しています。研究室の学生に卒業研究などのフィールドとしてズーラシアを使わせることも多いそうです。また、ズーラシアや繁殖センターでは、年に数回、一般市民を対象とした公開講座やシンポジウムを開催しています。希少種の保全をテーマに、地球環境の問題に対する意識を高めることを目的としています。
 村田教授は自身の研究として、日本国内にわずか2000羽ほどを残すのみとなったライチョウの保全と繁殖に取り組んでいます。

「ズーラシアでの活動や研究を通して、日本にもっと環境や希少種の保全について考える文化が根づけば、と願っています。そのために、これからも動物園のあるべき姿を追究していきたいと考えています」
  • よこはま動物園ズーラシアは1999年開園。2001年に日本で初めてオカピの繁殖に成功している。

    よこはま動物園ズーラシアは1999年開園。
    2001年に日本で初めてオカピの繁殖に成功している。

  • 一般書から研究者や飼育技術者を対象にした学術書の著作・翻訳・監修に関わるなど著作関連も多岐にわたっている。

    一般書から研究者や飼育技術者を対象にした学術書の著作・翻訳・監修に関わるなど著作関連も多岐にわたっている。

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