International Environment Conservation Lab(IECL)
国際環境保全学研究室

「水と土の最適利用によって農村地域の環境保全・改善を目指しています」

農業の源である「水」や「土」のような貴重な資源の保全と有効な活用が農村地域の環境保全にとって重要です。
言い換えれば、農村地域における水環境と土環境関連の課題を集約し、それらを持続的な方法で改善することが農業・農村地域の環境保全に繋がります。
国際環境保全学研究室では、これら2つの貴重な自然資源をキーワードとし、国内外の農村地域の環境保全や改善を目指しています。

研究室紹介

国際環境保全学研究室では、主に国内外の農村地域にて現地調査(サンプリング、ヒアリング、アンケート)を実施し、現地の試料(土、水、植生など)の分析や文献調査データを解析した上で、地域住民に受け入れられやすい対策方法の提案に関する研究を行っています。
データやサンプルの分析・解析には、理化学的、理工学的や情報処理技術的な手法が用いられています。

代表的な研究活動

1. 基礎・モデル研究

農地における土壌侵食メカニズムの解析や予測、植物を活用した汚濁水の浄化、水食防止における各種被覆材の影響、植物由来土壌凝集材の開発、土管を利用した暗渠排水の有用性、膜被覆による植物の水需要量の抑制、発酵促進剤利用による堆肥化時間短縮可能性、廃材利用による乾燥地における土壌塩類化防止、壺灌漑による節水農業、安価な素材を利用した簡易型屋上緑化ユニットの開発など。

2. 調査研究

地下水のヒ素汚染が土壌・水・植物生態系に及ぼす影響や植物を用いた土壌汚染の浄化(対象国:バングラデシュ、インド)、砂漠化防止における壺かんがい・膜被覆・保水材の有能性(対象地域:中国内モンゴル)、マングローブ林の減少及び焼畑による環境汚染が問題となっている流域の水質調査(対象地域:マレーシア国サバ―州)、GIS/RSを活用したメコン流域における水環境の調査や農地保全の予測(対象国:タイ)、空間分析法を用いた農地土壌塩類化の予測(対象地域:米国カリフォルニア州Imperial valley)、衛星画像を活用した農地土壌流出の予測(対象地域:沖縄、タイ、ネパル、メコン流域)、廃材を活用した赤土の透水性の改善(対象地域:沖縄)など。

教員

Kingshuk ROY
ロイ キンシュック教授

略歴

バングラデシュ農業大学農業工学部灌漑・水管理学科卒業

  • 1994年:山口大学大学院農学研究科修士課程修了(農業土木専攻)
  • 1997年:鳥取連合大学院農学研究科博士課程修了(生産環境工学専攻)
  • 1997年〜1999年:日本大学生物資源科学部客員研究員
  • 1999年〜2001年:(旧)農業研究センター研究情報部客員研究員
  • 2001年〜2005年:日本大学生物資源科学部国際地域開発学科専任講師
  • 2005年〜2014年:日本大学生物資源科学部国際地域開発学科助教授・准教授
  • 2009 年8月〜2010年9月:米国ハーバード大学客員研究員
  • 2014年〜現在:日本大学生物資源科学部国際地域開発学科教授

この研究に注目!!

Study1

地域にある貴重な水資源と土壌資源の有効な活用法を探ることにより地域環境保全の試み

  • 帰化植物(通常、外来種)の植物体が持っている潜在能力を活用し、農業環境修復保全への適応性(汚濁水の浄化)実験

  • 素焼き壺の活用(壺灌漑法)により、節水農業の試み

  • 廃棄作物の再利用により、農地からの表面土壌流亡量の抑制(土壌劣化・砂漠化防止)

  • 植物の水需要の低減に関する研究(土、水、植物連続体)

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