食料生産実習

-キャンパスと一体化した農場・食品加工実習所で、田植・稲刈から合宿農業体験、ソーセージづくりまで!

同実習は選択科目(定員制※)で、前期のゼミ(座学)に始まり、6月の田植、夏休み中の合宿集中実習(3泊4日。耕種・畜産・農業機械の農場内全部門と食品加工実習)、そして10月の稲刈りと実習が続いていきます。
本年度も20名(うち女性17名)と多くの受講学生となりましたが、男性の受講が少なく寂しかったものの、受講生全員のモチベーションは高く、充実した実習となりました。

※受講学生は毎年面接・レポート等により実習への熱意を審査の上、受講が決定されます。

本年度は、苗づくりから学ぼうという発案で、5月上旬に、通常の座学枠を使って、苗づくりのため種籾の播種作業を行いました。土を入れた苗箱にかき取り板で平らにした後、苗箱に種をまいていきます。いつもはできあがった苗を植えるので例年にはない作業でしたが、「川上の川上」ともいえる作業は非常に貴重な機会でした。
続いて6月上旬、生物資源科学部農場内の水田において、自ら播種して育てた苗を使った田植が行われました。当日は見事な晴天。しかし、時折日差しが遮られたり風もあって、暑くて仕方ないというところまではいかず、絶好の田植日和となりました。
泥田に入るのが初めての学生たちは、最初悲鳴も上げていましたが、今年は例年以上に作業の習熟が早く、スピードがどんどん上がり、これまでにない最速の作業終了となり、水田1反(10a)の田植を無事終了しました。

そして夏期休暇中の8月21日(月)~24日(木)の間、3泊4日で学部農場に宿泊しての本実習(農場等での合宿実習)を行いました。
今年から、早朝班に水田の生育調査も設け、教員も毎朝早起きして学生の皆さんとともに水田の様子を確認しました。圃場の位置で生育には差があること、水質も圃場内では均一出ないことを試薬等を用いて計測しました。朝から、作物の成長に実際に接しながら学びました。

班別実習では、畜産では早朝の搾乳、豚舎・牛舎での管理作業、温室やバラ園での作業、農業機械ではトラクターやユンボの運転実習などを行いました。

畜産では、養豚のフン掃除はやはり臭いが厳しかったです。エサやりでは10kgのバケツを何度も持ち上げ大変そうでした。でもこれがあってこそ、我々はおいしい肉を食べられるのです。酪農では、早朝5:30から作業を開始し、朝の搾乳と生乳出荷、牛舎の掃除や子牛への哺乳などを行いました。本学の酪農実習は、観光牧場の体験搾乳などと異なり、乳業メーカーに販売物・経済行為として出荷しています。このため、何かあると乳業メーカーやほかの酪農家にも迷惑をかけるので、文字どおり真剣勝負です。農場の方々の的確な指導で次第にキビキビとした作業となり、全日とも、無事に20頭近い搾乳牛の搾乳作業を終えることができました。かわいい子牛とのふれ合いでは、全員の顔が綻びます。

農産(畑作)では、ニンジンの種まきやキャベツの苗植えとネギ畑の除草作業を行いました。日によってはかなり暑く湿気もあり、みんな大汗をかいての作業でややグロッキー。記念写真も元気いっぱい・・なのですが、さすがに普段より疲れ気味かも。でも、全員作業をやり遂げました!また、日大で開発された唐辛子の新品種、まもなく世にでる予定です。農業機械では、トラクターの運転などは免許のない学生はやや苦労していました。園芸(花き)では、バラの肥料やり、花束づくり(これはセンスが出ますね)、シクラメンの植え替えと盛りだくさんの作業を行いました。
最終日の午前、大学施設で全国唯一のJAS認定食肉加工施設である食品加工実習所で、本格的なソーセージ、レトルト食品の製造実習を行いました。(1)脂肪と肉に切り分けて赤身の肉をミンチにし、(2)ミキサーで調味料等と混ぜ、(3)ケーシングして、タコ糸でソーセージの形により分け、(4)ボイルもしくは桜のチップで燻して、美味しいソーセージに仕上げていきます。さらに、本学の誇る本格的なレトルト加工機で、豚肉の角煮づくりも行いました。

実習のフィナーレには、4日間過ごした農場内で、お世話になった農場の方々を招待して盛大なバーベキュー大会と報告会を行いました。全員で協力してつくりあげたソーセージや肉、収穫した野菜を、お腹いっぱい堪能しました!

そして実りの秋、9月下旬。いよいよ大事に育てた稲の稲刈りです。今年は天気にも恵まれ、コンバインの調子も良く、効率よく作業を進めることができました。

首都圏全体の農学系大学でも、本学のように学内で田植えや稲刈り、搾乳など【食に関する全ての学び】を体験できる大学の例は希少です。改めて、農場とキャンパスが一体となった本学のロケーションのよさを痛感しましたが、学生たちの表情を写真でご覧いただければ、実習の充実感はご理解いただけると思います。
この記事をご覧の受験生の皆さん、一緒に実習できることを心待ちにしていますよ!実習生の皆さんは、早朝からの農作業、合宿生活と大変だったかもしれませんが、その分、長く記憶に残る体験となったことでしょう。本当にお疲れ様でした。お世話になった全ての関係者の方々に、この場を借りて厚く御礼申しあげます。

この記事をご覧の受験生の皆さん、一緒に実習できることを心待ちにしていますよ!

※キャンパスと実習施設が一体になった、本学部の誇れる農場・食品加工センターの概要は以下をご覧ください。
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~farm/index.html
http://www.brs.nihon-u.ac.jp/facilities/fplc.html

(実習担当教員)高橋 巌・小野 洋

5月、種籾の播種作業から実習がスタート!
6月、好天の中、快調な田植作業!
泥にまみれての田植が終わって笑顔!
生育調査。早朝から泥田に分け入り、稲の生育調査。
畜産実習。肉豚の作業。子豚は可愛いが、作業はいささか大変。
酪農実習。初めて間近で見る牛の大きさに戸惑う。
酪農実習。慣れない搾乳作業ながら、出荷までに作業を終了させました。
農産実習。播種・管理などの作業に汗を流します。
農産実習。播種・管理などの作業に汗を流します。
農産実習。最終日はさすがにグロッキー気味。
農業機械実習。トラクターの乗車体験。
園芸実習・素敵な花束づくりも。
食品加工実習。ソーセージがどんどんできあがる。
合宿実習うちあげ。盛大にバーベキュー!
今年は好天だった稲刈り。お米の試食が楽しみです。

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