小野ゼミ

広大な津軽平野で日本農業を考える

農業生産者のほとんどは、農薬や化学肥料の適正使用を通じ、安全・安心で低価格な農産物を供給しています。マスコミに取り上げられる少し珍しい農業は、それはそれで興味深いのですが、わが国の食品ビジネスを考えるうえでは、こうした「普通の」現場を体験してもらうのが重要と考え、小野班のフィールドリサーチを企画しています。本年度は総勢23名の大所帯でした。

小野中泊町長及び藤森農政課長による津軽弁講話でフィールドリサーチはスタート。日本国内で津軽弁という特異な方言を体験出来るのは、本州ではここだけです。宿泊は町の施設を貸切りで、学生は終始楽しく過ごし、良い記念となったことでしょう。

2日目。午前は地元の地域資源探索として、高さ24メートルの立ちねぶたを見ました。お昼はしじみラーメンで、これも青森でしか味わえないものでした。午後はグリーンツーリズムの会による津軽料理指導。生きたイカの刺身は格別でした。学生諸君の包丁さばきも、地元の方々の期待を裏切らないものでした(みなさん、普段からもっと料理をしましょう)。なお二日目は夕方から台風に見舞われ、日程が少し駆け足になったのが残念でした。

3日目は台風一過の晴天。朝はラジコンヘリによる農薬散布の現場見学。実際にヘリが大豆圃場の上を飛ぶ姿、人力では1時間かかる作業がヘリだと5分で終わるというお話は、学生の農業に対するイメージを大きく変えたでしょう。その後はスイカとメロン。「完熟をその場で食べる」に勝る贅沢はありません。これがまたまた本当に美味い。昼食は、古民家での津軽料理を頂いた後に、トマト選果場見学とトマトハウスでの作業体験。保冷庫には、東京向けの真っ青なトマトが山積みでした。農産物流通についてこれまで学習したことの補足になったと思います。トマト農家のお話もなかなか衝撃的だったと思います。

机に座って学ぶことも大切ですが、加えて、農村に出て、農村の空気を吸って、農家の話を聞き、交流することも同じく大切です。この3泊4日を通じ、学生諸君の知識には多少なりとも深みが増したはずです。

役場での講話(津軽弁講座)
高さ24mのねぶた
イカをさばいてみましょう
大豆畑での雑草防除の一端
築140年の古民家にて昼食
トマトハウスでの作業

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