川手ゼミ

環境と調和した農業と原点の加工

産業社会学研究室では、「環境と調和した農業と原点の加工」をテーマとして、有機農業や手わざを生かした農産加工などに取り組んでいる現場に赴き、ヒアリング調査および関連する講義や体験を行い、持続可能なフードシステムの重要性について理解を深めることを目的としてフィールドリサーチを実施しています。本年度は長崎県雲仙市に赴き、8月3日~5日の3日間の日程で現地調査を実施しました。雲仙市にお世話になるのは9回目です。

初日は日本を代表する有機野菜生産者である岩崎政利さんの農園で岩崎さんからレクチャーを受けた後、大変様々な野菜の種とり体験をさせて頂きました。わずか2時間あまりではありましたが、暑い中での作業にもかかわらず、学生たちの様子は熱心であり、種とりの作業を通じ、フードシステムの川上の川上の"種"(遺伝資源)の問題について肌で何かを感じとってくれたのではないかと思います。

2日目は、雲仙市役所での雲仙市の概要と農業、地域ブランド化の取り組みについて講義を受けた後、守山女性部加工組合という全国を代表する農家女性の加工会社で惣菜づくり・料理体験をさせて頂き、一緒に昼食を頂きました。午後は、デザイナーの城谷耕生先生による食や農に関するものづくり・地域づくりに関する講義と施設などの見学を行いました。夜は、フィールドリサーチの関係者の方々をお招きして交流会を行いました。学生により学科やゼミの説明やサークルなどの取り組みの報告をさせていただきました。関係者の皆様からは、講義や体験の補足説明や今後の期待についてお話しを頂きました。

3日目は、長崎を代表するお菓子メーカーの小浜食糧株式会社の経営戦略に関する講義と工場・直営店舗見学をさせて頂いた後、吾妻農産加工組合というやはり全国を代表する農家女性の加工会社でのみそづくりと梅干し加工の体験などさせて頂き、手わざの凄さを実感させて頂きました。猛暑の中、盛りだくさんの内容で慌ただしいスケジュールとなりましたが、学生たちは、普段接する機会が少ない「食卓の向こう側」である農業や農家の手わざを駆使した原点の加工について体験を含めて学ぶことができ、大変有意義な3日間になったのではないかと思います。
今回も快く受け入れて頂きました雲仙市の金澤秀三郎市長はじめ関係者の皆様に改めて深くお礼申し上げたいと思います。

黒田五寸(在来種のニンジン)の種とり体験
守山女性部での郷土食(だごじる)づくり体験
デザイナーの城谷耕生さんの講義
交流会での報告の様子
小浜食糧株式会社の工場見学
吾妻農産加工組合での味噌づくり体験

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