食ビの人々

富塚 悟郎 Goro Tomizuka 株式会社紀文食品
2017年度卒業(業種:食品製造業)

見る・触れる・聴く・嗅ぐ・そして味わう。机上の学習だけではない、五感をフルに使って学びを深めることが出来る学科です。食品ビジネス学科で思う存分成長してください。

今はどんな仕事を担当されているのでしょうか

現在は、水産練り製品を主体とした総合食品メーカー『紀文食品』の営業部に所属しております。首都圏を中心に関東近郊のスーパーマーケットや市場などの流通業者様に対して営業活動を行うのが私が所属する部署の仕事内容です。その中で私はスーパーマーケット2社に対して営業活動を行っています。紀文食品の営業は「提案型営業」といって、流通業者様に対して、商品導入のためだけの商談でなく、売り場の企画・行事や季節に合わせたご提案を行います。また、レシピやメニューの紹介や、実際に自分自身が店頭に立って試食販売を実施するなど、紀文食品の営業ならではの仕事もあります。

仕事のやりがいを教えてください

自分が提案した商品が棚に並んでいるところを見たときは、やりがいを感じます。また、商品を導入して終わりではありません。商品の回転率が上がるように、様々な販促提案を行います。その提案がうまくはまって実績を残せた時は更にやりがい感じます。そういった成功事例がバイヤー様・店舗担当者様との関係性を築く鍵にもなります。「富塚くんが提案した方法で販売したらよく売れた」、と言ってもらえるように日々様々な販促策を考えております。

食品ビジネス学科をめざした理由を教えてください

食品ビジネス学科を目指したきっかけは、文系学生でも食に関して広く学べ、多くの卒業生が食品関連企業へ就職しているという点に魅力を感じたからです。私は実家が豆腐製造業を営んでおり、兄弟も食に携わる勉強をしていたため、昔から私自身も漠然と何らかの形で食に携わりたいと思っていました。ですが進路選択する際、食品系の大学となると「農学部」や「栄養学科」などの選択肢がでてくるのですが、私自身が文系だったことに加え、栄養学のみに偏った学習もピンとこず、半ば諦めていました。そんな時に進路指導の先生に、文系学生でも食に関して広く学べる食品ビジネス学科を紹介していただきました。食品ビジネス学科は文理融合を謳っており、講義内容も幅広いことから、まさに自分が探していた学科だと思い、紹介して頂いてすぐに志望することにしました。

委員長やリーダーとしての活動と、頑張ったことを教えてください。

3年次に各ゼミから代表者2名が選出されて発足する『ゼミ連絡委員会』にて委員長に立候補し、約2年間、学科の行事等を取りまとめてきました。活動内容として大きなものは、3年次の『ゼミ対抗スポーツ大会』の企画・運営、4年次の『新入生研修会』・『卒業パーティー』の企画・運営と『卒業アルバム』の作成があります。 どれも完全に学生主導で行うものだったので、定期的に企画会議の場を設け話し合いをするなど、労力はとても大きかったです。ですがその分非常にやりがいを感じられました。私としてはどれも全力で頑張ったのですが、やはり最後の卒業パーティーは印象が強く 残っています。パーティーと題していますが、4年間お世話になった先生方に向けての『謝恩会』も含まれており、絶対に成功させたいという強い思いから必死だった記憶があります。また、これらの活動を通して一緒に困難を乗り越えたメンバーとの間には強い絆が生まれ、卒業後も連絡を取り合うなどしています。

卒業論文やゼミのテーマや研究の内容を教えてください。

ゼミは齋藤武至先生の『食品企業分析論研究室』に所属していました。自分の興味のある業界や企業をピックアップし、どんなビジネスモデルを展開させているかなどを統計資料等を用いて分析していました。私個人の卒業論文のテーマは『豆腐製造業の市場構造と生き残り戦略』です。私にとって最も身近な業界である豆腐製造業において、年間およそ500軒が廃業しているという現状があり、生き残り戦略を考えることが必要だと感じ、このテーマに決定いたしました。そもそも豆腐製造業者が次々に廃業していっているのは、大規模経営と小規模経営の二極化が進んでいるという背景があります。そのため事業規模が小さい豆腐製造業者でもこだわりをもった製品を確実に収益が出る分だけ作り、販売方法などを工夫すれば、生き残っていくことはできるだろうと結論付けられました。ですが家計の味方といわれるほど安い価格帯で売られている豆腐自体には、まだまだ課題が山積みです。今後は何らかの形で研究の内容を活かせていけたら良いと考えています。

4年間通って、感じた食品ビジネス学科の魅力はなんですか?

食品ビジネス学科の魅力はなんといってもバラエティに富んだ講義・実習の数々です! 実際に調理室で行う『調理学実習』や『フードコーディネート実習』、ゼミ単位で現場に出かけてその実態をリサーチ(調査)する『フィールドリサーチ』など、特色ある様々な実習があります。座学で学んで基礎を身に着けることはもちろん大切ですが、実際に匂いを嗅いだり、肌で感じたり、食べたりすることができる実習というのは、記憶にも深く刻まれます。このような五感を使った講義や実習が数多くあるというのは、食品ビジネス学科の大きな魅力です。

学生生活で、一番印象に残っていることを教えてください

先生方や友人と共に過ごした時間です。これまで触れてきた通り、食品ビジネス学科は魅力がたくさん詰まった学科であり、講義や実習、ゼミ連絡委員会の活動など、印象に残っていることは数多くありますが、いつもそこには支えてくれる先生方や友人の存在がありました。自分一人ではやり通せられなかったことも、周りの力を借りて乗り越えてこられたという事が、何よりも私の中で印象に残っています。抽象的ですが、そんな素敵な人々との出会いがあったことで、私の学生生活はとても充実していました。

学生時代に学んだことで、役に立っていることはなんですか?

やはり、食に関して幅広く学べたことは就職後も強みとなりました。新入社員研修の座学は、ほとんど食品ビジネス学科の講義で学んだ内容だったので、すんなり理解することが出来ました。また、紀文食品の新入社員研修では蒲鉾の飾り切りを行うのですが、『ウサギ』、『松葉』、『孔雀』など、全て調理学実習で教えて頂いていたのですぐに作ることができ、今でも年末のおせちの商談会では活用しております。また、学生時代は様々な場面で人前で発表をする機会があります。社会人になってからももちろん、社内・社外を問わずプレゼンテーションを行うことは多いのですが、学生時代に場数を踏んでいたので、緊張せずに行えています。

最後に、高校生の皆さんにメッセージをお願いします

おそらくこれを読んでくださっている高校生の中には、自分のやりたいことがはっきりしていないという人がいると思います。そんな人は、今、目の前のことに全力で取り組んでみてください。そしてつまずいたときには周りに手助けを求めて下さい。努力していれば、その姿を評価してくれる人は必ずいます。私がそうだったように、具体的にやりたいことが決まっていないという人でも、食品ビジネス学科ならば、素敵な先生方の充実した講義・頼もしい友人との出会い等を通じて、おのずと将来の道が開けます。これも、大学で講義や委員会活動に全力で取り組んだ結果です。焦る必要は全くないので、自分のできることから、積極的に取り組んでいってください。

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