雑草学(Weed Science)
雑草学(2単位,選択):教科書は伊藤操子著,雑草学概論,養賢堂(本体4500円)を使用するので用意すること。
取り扱いは立野商店(購買部)。この他の参考図書は,雑草管理ハンドブック(朝倉書店)(専門家向け)
植物保護の辞典(朝倉書店)(専門用語を調べるのによい),雑草防除大要(養賢堂:絶版,ただし図書館にあり)
植物防疫講座第3版水田編&畑作編:雑草・農薬(日本植物防疫協会):(専門家向け),Weed Science: Principles(雑草学の入門書)
和文(雑草研究)・英文雑誌(Weed Science,
Weed Research etc.),各種雑草図鑑などが図書館に備えてあるから一読をお奨めする。
雑草学は,雑草を管理するための基礎となる知見を科学的に追求する分野である。雑草とは何か,といえば,「人間が望ま
ない場所に生育する植物」であるから,その範囲は広い。ここでは,主に農耕地の雑草についてその本質と管理(防除)について
講義する。
授業に当てられている時間は,15回程度である。従って,以下の2-9の項目を総てこなすためには,1項あたり1-2講ですすむことになるが
総ては講義できないので各自が努力をしていただくことになる。その際,有益な情報を与えてくれる書物は上述したが
「水田」,「畑地」,「帰化雑草」も有益だ。
なお,必要に応じてレポートを課す,その要領は,B5レポート用紙に一回ごとに2-3枚程度(表紙不要),参考文献は,文末にタイトル
著者名,雑誌名(書名),ページを記載する。なお,インターネット利用の場合は,URLを示すため必ず最初のページをコピーし,最終ページに添付する。
「レポートの書き方」については,図書館に多くの参考図書があるから,一読しておくこと。
質問は,E-mail(asano@brs.nihon-u.ac.jp),レポートはE-mailの添付ファイルでも受け付ける。
講義は教科書に沿って(一部省略)以下の項目について講述する予定である。
1.雑草学への招待
雑草学に関する紹介(ガイダンス)
2.雑草の概念
1)雑草の定義 2)雑草の起源 3)作物,野草との違い 4)雑草性
3.主要雑草の種類と分布
1)世界的な強害雑草 2)日本の主要雑草 3)土地利用による雑草の種類の変化 4)時代による種類の変化 5)種類の地域性
4.雑草の生理・生態による分類
1)生活環による分類 2)生活型 3)水分適応による分類 4)光反応性による分類
5.雑草の種子繁殖特性
1)種子生産 2)種子の休眠と埋土種子 3)種子発芽と環境要因 4)出芽と発生消長
6.雑草の栄養繁殖特性と再生
1)栄養繁殖器官の種類と構造 2)多年生雑草の生活環 3)栄養繁殖器官の形成と萌芽特性 4)耕種・防除に対する反応
ラウンドアップを茎葉処理した後のラウンドアップレディ(遺伝子組換え)ダイズの生育状況。 |
7.雑草の伝播
1)風,水,動物による伝播 2)人間活動による伝播 3)帰化
8.雑草の変異
1)変異の概念とその背景 2)地理的変異 3)人為環境と変異
9.雑草害
1)雑草害 2)光競合 3)養分競合
10.雑草とアレロパシー(参考書は藤井義晴著,アレロパシー,農文協,1800円)
1)アレロパシーの概観 2)雑草のアレロパシー作用 3)アレロパシーを利用した雑草の抑制 4)アレロパシー発現の変動要因
11.雑草管理
1)雑草生態からみた防除の要点 2)雑草の予防 3)機械的雑草防除 4)化学的雑草防除 5)耕種的雑草防除 6)生物的雑草防除