生命農学科通信 vol.04「新任教員のご紹介」

科学のチカラで品種改良を加速させる

遺伝育種科学研究室/教授 山田 昌彦
2016年4月より本学に勤務しています。2016年3月まで国立研究機関で長年にわたりブドウとカキの品種改良と果樹の遺伝育種研究に従事し、これまでにブドウ「シャインマスカット」・カキ「太秋」などの新品種を育成しました。降雨の多い日本では、マスカット香があり噛み切りやすくて硬い肉質を持つ欧州ブドウは、栽培が難しく少量しか栽培されていませんでしたが、「シャインマスカット」は欧州ブドウと米国ブドウの雑種でかなり栽培しやすく、食味は欧州ブドウそのものです。種なし・大粒生産でき、皮ごと食べられる特性もあるので、現在、栽培面積が急速に増えています。 品種を改良するには、長い年月が必要です。一方、品種改良の科学も進歩しており、より確実に目的とする品種を生み出せるようになってきました。2011年には、科学的な品種改良の方法を示した著書『果樹の交雑育種法』を出版しました。
これまで取り組んできた果樹の統計遺伝学やDNAマーカーによる選抜の経験をもとに、今後はゲノム情報を生かし、実際の果樹育種を行っているさまざまな研究機関と連携して品種育成に貢献する研究をしたいと考えています。
生命農学科に教授として着任して学生の皆さんと接し、改めて若い人の理解力とエネルギーは凄いなと感じています。品種改良は遠い世界の話ではなく、日々食べるものは多くが改良された品種です。品種改良を科学の目で捉え、科学のチカラで品種改良を加速させる。そのような志で学生の皆さんとともに研究に取り組んでいます。



大規模データ解析で品種育成に貢献

遺伝育種科学研究室/助教 奈島 賢児
2016年4月に、遺伝育種科学研究室の助教として着任しました.着任以前は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)果樹研究所で,パインアップルやマンゴーなどの熱帯フルーツ類の品種識別技術の開発や、高密度連鎖地図の構築など、各種ゲノム研究を行ってきました。 近年ゲノム研究では、ゲノム配列などの大規模な生物学的データを情報科学の手法により解析する技術である、バイオインフォマティクスが重要となっています。私は現在熱帯フルーツ類とアジサイについて、バイオインフォマティクスを駆使しながら、大規模データ解析をはじめとする各種ゲノム研究を行っています。機能性成分の蓄積に関わる遺伝子を明らかにすることで、より健康によいパインアップルを効率良く育成できるようにする、アジサイの特色ある花の形を決める遺伝子を明らかにし、かつてない形態の美しい花が育成できるようにする、といった品種育成に貢献できる研究をしていきたいと思っています。
着任してから学生の皆さんと接して、本学科には素直で前向きな人がとても多いと感じています。指導や助言を積極的に吸収していて、成長の速さにいつも驚かされています。大学は先端的な研究を行う場所であり、またその先端的な研究を通じて学生の皆さんの成長を手助けする場でもあると考えています。研究には困難で大変な面も多々ありますが、果敢に挑戦することで大きな成長を遂げることができます。学生の皆さんには、ぜひ熱い志を持って研究や学業に挑み、卒業までに多くのことを学んで欲しいと願っています。